リビング京都 東南版 9月29日号
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(6)2012年9月29日(土曜日)東南第1605号「子宮頸(けい)がんは、がんになる前の『前がん状態』で見つけられる数少ないがん。発症が低年齢化していますが、早期に発見して治療すれば、自分の命が救えるだけではなく、子宮を残せるので妊娠も考えられます」とは、「醍醐渡辺クリニック」の副院長・石川弘伸さん。子宮頸がんの早期発見には「子宮頸がんワクチンの接種に加えて、定期的な検診が、何より大切です」とのこと。また同クリニックでは、将来妊娠を望む人のため、妊娠や出産の妨げとなる問題がないかを調べる検診も実施。近年注目されているという「AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査」によって、卵巣の働きをチェックできます。「加齢や生活習慣などによって卵巣機能が低下すると、妊娠が困難になります。結婚の予定の有無に関わらず、今の自分の“卵巣年齢”を正しく知ることは、 “未来の命”と出合うためにも、これからの自分の人生設計を考えるためにも大切なのではないでしょうか」●京都市伏見区醍醐高畑町30─15、☎075(571)0226。午前9時〜午後1時、(月水金のみ)午後5時〜7時30分、日祝休地下鉄「醍醐」駅1番出口すぐ自分の命と、未来の命のために子宮頸がん発見には、定期的な検診をAMH検査で〝卵巣年齢〟のチェックも醍醐渡辺クリニックhttp://www.d-w-c.jp/子宮頸がん検診(クーポン利用可)のほか、同院で受けられる検査◆将来、妊娠・出産を望む女性に・AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査 ・超音波検診 ・感染症検査 ・風疹検査 ・ホルモン検査 ・子宮頸がん予防ワクチン ※複数または個別に受けることも可能。まずは気軽に相談を副院長・石川弘伸さん、産科部長・田村出さん、産婦人科医・山口剛史さん(右から)がん検診受診メッセージ募集中15~50字以内で応募を! 抽選で100人にプレゼントが当たります検診を身近なものと考えてみませんか? 大切な人のことを考えるきっかけにもなりそう京都府健康対策課普段から気にしておきたい自分や家族の体のこと。でも、忙しいからと検診を後回しにしている人も多いのでは? そんな人にがん検診の大切さを感じ、受診のきっかけにしてほしいと、京都府健康対策課では「がん検診受診メッセージ」を募集中。大切な人へ検診の重要性を伝えたり、検診を受けての感想などを書いて応募するというものです。15〜50字にまとめて、あなたも応募しませんか。応募すると、抽選で「折りたたみ自転車」(2人)、「電動歯ブラシ」「非常用持ち出しセット」(各6人)、「オムロン活動量計」(10人)、「シリコンスチーマー」(46人)など、合計100人にプレゼントが当たります。無料クーポンの活用を実際に検診を受けようと思ったときに活用したいのが、市町村が対象年齢の人に配布しているクーポン。子宮頸(けい)がん、乳がん、大腸がん検診を無料で受けられます。子宮頸がんと乳がんは特に若い世代に増え、同課によると女性の死亡者数のトップである大腸がんは、2020年には罹患(りかん)数でも、男女ともにトップになると予測されているそう。「がんは、初期の自覚症状がほとんどないので、自分では気づきにくいのが特徴。何よりも大切なのが早期発見のための検診です」(同課・村上さん)子宮頸がんの検診を受けた同課の松本紗季さん(24歳)は、「事前に予約をして、仕事帰りに行きました。いざ始まってみると10分程度で終了。あっという間でした。郵送で送られてきた結果を見てほっとできましたし、今後、出産も考えると大事なことなので、2年に1度は定期的に受けようと思いました」と話します。がん検診は、夫婦や親子で受診すると、お互いの健康意識を高められそうですね。手元にクーポンがある人は有効期限がいつまでかチェックしてみて。検診の詳細は市町村や協力医療機関に問い合わせを。詳しくはホームページを参照。がん検診受診メッセージ募集〈応募資格〉 誰でも可〈応募内容〉 家族・友人・恋人など大切な人へ検診の大切さを伝えるものや、検診を受診しての感想など、受診を勧めるメッセージ。 15字以上50字以内なら、手紙・短歌・詩など、どんな形式でもOK〈記入事項〉 ①メッセージ②住所③氏名④年齢⑤性別 ⑥電話番号〈応募方法・応募先〉 ①専用応募はがき、はがき、封書で 下記住所まで郵送 〒602-8570(住所不要) 京都府健康対策課内 京都府がん対策推進府民会議事務局 ②ウェブで応募 健診は愛 京都府健診受診促進キャンペー ン 公式サイト(http://www.pref.kyoto. jp/kenshin/)より〈応募期間〉 2013年1月31日(木)まで ※当日消印有効※ 記入した情報は、発送業務などを代行する業者に提供される場合があります子宮頸がん・乳がん・大腸がん検診無料クーポン配布対象者 ・子宮頸がん/ 20・25・30・35・40歳の女性 ・乳がん/40・45・50・55・60歳の女性 ・大腸がん/40・45・50・55・60の男女 ※いずれも2012年4月1日現在の年齢京都府健診受診促進キャンペーンのロゴ京都市のクーポン(デザインは市町村によって異なります)。対象年齢の人には自宅に届けられているので、まだ使ってない場合は活用をメッセージの応募者の中から、抽選で100人に折りたたみ自転車などが当たります☎075(414)4724上京区下立売通新町西入ル健診は愛検索〒604-8116 京都市中京区高倉通蛸薬師上ル和久屋町350番地 リビング高倉ビル4階「検診で、早期発見を目指して」子宮頸がん検診は専門医が担当ワクチン接種によって、ウイルス感染のリスクは軽減できます宇治徳洲会病院京都府のがん診療連携病院でもある「宇治徳洲会病院」。こちらでは、子宮頸(けい)がん予防の啓発・啓蒙(けいもう)活動にも力を注いでいます。「宇治市は、京都府内でも子宮頸がんの検診率が低い地域。検診率をアップすることも私たちの重要な役割だと思っています」と、検査科の江口光徳さん。「子宮頸がんは、HPVというウイルス感染が原因となります。検診によって『前がん状態』で発見することは、子宮を守ることにもつながります。ぜひ早期発見を目指してください」同院の検診は、2人の日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医が担当しているのだそう。また、子宮頸がんはワクチン接種によって、ウイルス感染のリスクを軽減できるとのこと。「最近は若年層でがんを発症するケースが増えているので、若いうちの接種をおすすめします。検診とワクチン接種の大切さを男性にも知ってもらい、 “大切な人”に伝えてほしいですね」子宮頸がん検診は、健診センターと婦人科で対応。クーポンの対象年齢以外の人でも、自治体の助成金が受けられるので相談を。●宇治市小倉町春日森86、☎0774(20)1111(代)。一般外来受付:午前7時30分〜正午、午後4時30分〜7時。日祝休。診療科によって診療時間、休診日は異なるので問い合わせを。検診センターは要予約がん細胞などの有無を検査http://www.ujitoku.or.jp/ピンクリボン京都・事務局長の江口ひろみさんによると、京都のマンモグラフィー受診率は、平成22年の最新データでは20・5%で全国25位。平成18年は9・8%・全国43位だったので、上昇傾向にあるのだとか。乳がん検診の受診時期については│。「自分で乳房を観察したり、触れてチェックする自己検診は20歳になったら月1回を目安に行い、30代からはエコー、40代からはマンモグラフィーを受診するよう勧めています。京都では2年に1回の検診が行政サービスで設けられていますが、できれば1年に1回の受診が望ましいですね」検診は「痛そう」というイメージもありますが、受診時期を選ぶのが重要と江口さん。「生理前は、乳腺が張っているので避けるのがベター。生理が始まって、1週間〜10日後だとあまり痛みが強くありません」今は、16人に1人が乳がんになるといわれている時代です。「患者さんたちと話し女性特有のがん…日本人の死因のトップにランキングされている〝がん〟。その中でも、女性特有のがんの検診について紹介します。1年に1回の受診がおすすめ乳がん検診「子宮頸(けい)がんは、性交渉によって感染するヒトパピローマウイルスが原因で発症します。ですので、性交渉を行っていれば、子宮頸がん検診が必要。頻度は細胞診の結果にもよりますが、異常がなければ受診間隔は2年に1回が推奨されています」と、京都府立医科大学大学院女性生涯医科学・准教授の岩破(いわさく)一博さん。「検査は、子宮の頸管付近の表面の細胞をブラシなどの器具で軽くこすり取り、顕微鏡で見て行います。痛みはほとんどなく、短時間で終了。少し出血する場合もありますが心配はいりません」子宮頸がんの予防ワクチンを受けたら検診は不要ですか?「予防ワクチンでは、すべての型のヒトパピローマウイルスの感染を防げるわけではありません。また、すでに感染しているウイルスを排除したり、がんになるのを遅らせたり、治療する効果予防ワクチンとの併用が有効子宮がん検診話を聞いたのは京都府立医科大学大学院女性生涯医科学 准教授岩破一博さんはないため、子宮頸がん検診は必要です。子宮頸がん検診では、がんになる前の状態を見つけることも可能。それを治療すればがんになるのを防げます。しかし日本の子宮頸がん検診受診率は23・7%と、先進国22カ国の中で、最も低いのです。もっと気軽に産婦人科を受診してほしいと思っています」子宮がん検診をきっかけに、かかりつけ医を見つけておくのもいいのでは。ていると、口をそろえて、『私には関係ないと思っていた』『私は大丈夫だと思っていた』というのです。そんな声を聞くたび、みなさんに決して他人ごとではないという意識をもってほしいと感じます。乳がんは早く見つけて、早く治療すれば、治る病気です。早い段階ならキズもほとんどわからず、乳房もきれいに残すことができます」何より大切なのは、定期的に検診を受けることですね。話を聞いたのはピンクリボン京都事務局長江口ひろみさんについてみませんか
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