リビング京都 東南版 1月18日号
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編集/内山 掲載日:1/18 出稿表:001-4 サイズ:全8 記事名:フロント1面制作中尾出力→編集部内山宛寒い時季は、体を動かすのがおっくうになりがち。運動不足になると体がなまる…だけではありません! 私たちの体を支える〝筋肉〟にも影響が出てくるんですよ。筋肉と健康のかかわり、筋肉を維持・増強させるポイントを知って、筋肉美人を目指しましょう。「筋肉は動物の運動をつかさどる組織。立つ・座る・歩くといった日常生活に不可欠な動きも筋肉によってもたらされています。それだけではなく、健康を維持するための重要な働きも担っているんですよ」とは、立命館大学スポーツ健康科学部の教授・藤田聡さん。「食事で摂取した糖はグリコーゲンに分解され、70〜90%が筋肉に、残りは肝臓に取り込まれます。筋肉に蓄えられたグリコーゲンは、運動時のエネルギー源に。さらに、筋肉は全身の代謝機能を正常に保つ役割もしています」代謝機能とは、摂取した糖や脂質などをエネルギーに変え、必要とする臓器に送ったり、余った分を蓄えて必要なときに利用を促す仕組みのこと。「筋肉を維持・増強させることは、代謝異常による病気を予防することにもつながると指摘されています」とはいえ、一般的に筋(肉)量は30歳代にピークを迎え、以降は加齢とともに低下していくもの。50歳代まではゆるやかに減少して、60歳代から一気に下降。80歳代を迎えたころには、ピーク時に比べると35〜40%に減っているのだとか。「高齢になると筋量の低下によって十分に足が上がらなくなり、ちょっとした段差でつまずいたり、歩く速度がゆっくりになってバランスを崩したりします。そういった状況の中でも、若年層の標準値と比較して、著しく筋量や筋機能が低下した状態を『サルコペニア』といいます。筋量が減ると、処理しきれないグリコーゲンは肝臓で脂肪に変換され、血中に放出されることで糖や脂質の代謝異常の要因に。糖尿病などの生活習慣病を発症・悪化するリスクも増加します」筋肉を合成する働きは、運動と食事による刺激によって促されます。「食事ではアミノ酸が筋肉に取り込まれることで、筋肉を合成する働きが高まります。一方、空腹になるとエネルギーが不足するため、筋肉内のタンパク質はアミノ酸に分解され、肝臓で糖に変換されます」このように、筋肉は常に合成と分解を繰り返しながら筋量のバランスを保っているのです。「若いころは合成の働きが優位なので筋量を維持しやすいのですが、加齢に伴いバランスは逆転。そこに運動不足や栄養不足が加わると、サルコペニアを招くリスクはさらに増大します」では、若いうちは特に心配しなくてもいいのでしょうか。「いえ、実はサルコペニアはどの世代にも起こる可能性があるんです。健康な若者でも、けがや病気などで10日間ベッドに寝たきりになると、筋量は10%低下します。また、過度の食事制限などで、筋肉の合成と分解のバランスを崩すことも考えられます」常に高い筋量を保つこと、これが大切なんですね。◇2面に続くサルコペニアの「運動しているから」「やせているから」と自己判断ができないのが筋肉の状態。運動機能を目安に、自分でチェックしてみましょう。□片足立ちで靴下がはけない□やや重いものを持つ仕事・家事が困難□2kg程度の買い物をして、持ち帰るのが困難□15分くらい続けて歩けない□階段を上がるのに手すりが必要□家の中でつまづいたり、滑ったりする□横断歩道を青信号で渡りきれない❶ いすに座り、両手を胸の前で交差する❷ ①の状態で、30秒間「立ち上がる」「座る」の動作を繰り返すイラスト/オカモトチアキ筋力をチェック運動能力をチェック60歳代で14~19回以下、70歳代で12~17回以下の人は要注意。50歳代以下は、25回以上が通常1つでも日常的に当てはまる人は、運動能力の低下がみられ、筋量の減少も考えられます危険度をチェック2014年1月18日1659号☎075(212)4411㈹http://kyotoliving.co.jpリビング京都がまるごと読めるあります電子ブック

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