リビング京都 東南版 2月22日号
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編集/山舗 掲載日:2/22 出稿表:001-5 サイズ:全8 記事名:フロント1面_言葉制作宮本出力→編集部●●宛◇2面に続く会話中にムカッ、カチン! お互いがヒートアップして、つい売り言葉に買い言葉…。「こんなはずじゃなかったのに」という経験はありませんか?読者のエピソードをもとに、心理学や言葉、マナーの専門家たちに、さまざまな視点から〝予防と対策〟を聞きました。 イラスト・オカモトチアキある冬の日、子どもが屋外で遊んでいる姿を見て、母が「あんな薄着で…。ちゃんと温かい服を着せたらええのに」とポツリ。私が「でも、別に寒がってないし。お母さんだって、きっちりしてへんかったやん!」と言うと、気に障ったのか「もうええわ、勝手にし!」。アドバイスしてもらったのに、悪かったなあ…と苦い気持ちが残りました(38歳/れいこ)「プレゼントをもらったら自然にお返しを考えるように、相手から何かをもらったら、それと同様のものを返したくなる心の働きを 〝返報性〞と言います」そう話すのは、京都光華女子大学の人文学部心理学科の石盛真徳さん。「会話においても、ほめられたらほめ言葉を、逆に傷つけられたり、嫌な思いをさせられたら、相手に同じ言葉を自動的に返そうとする。〝やられたら、やり返そう〞という心の仕組みが、売り言葉に買い言葉という事態を引き起こしていると考えられます」特に相手との関係が〝対等〞と思っているほど、「なめられたらアカン」「主導権を取られたくない」といった気持ちになり、つい攻撃的になってしまうのだそうです。一方、本人に悪意がなく発した言葉でも、相手にとっては〝売り言葉〞になってしまうことも。「例えば、関西の人が親しみを込めて『アホやなあ』と言ったとします。ところが、言語環境が異なる地域の人には、言葉のニュアンスがうまく伝わらない。また、言った本人が親しい関係と思っていても、相手がそう感じていないと、受け止め方が違ってきます」「伝わるはず」「わかってくれるはず」と思って言ったのに、相手がカチン!となるのは「お互いの認識がズレているんです」と、石盛さん。「言葉には、その人が京都光華女子大学人文学部心理学科 准教授、博士(人間科学)子育て後の夫婦をはじめ家族のコミュニケーション、地域との関わり方などをテーマに研究人材育成コンサルタント、「ワコールキャリアサービス」チーフ教育コンサルタント、2011年から「京都観光おもてなし大使」としても活動中笑福亭鶴瓶さんに師事。KBS京都ラジオの朝の番組「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」で16年以上 〝朝の顔〟をつとめ、昨年は落語家生活30周年を記念した初エッセー集「笑福亭晃瓶の京都ほのぼの暮らし」を発売。「DAIHATSU MOVE 道頓堀角座」の月曜夜の 〝落語の日〟などに出演もらったら返したくなるのが、人の心理誰でも、「ノー」という反応は、自分が否定されたようで抵抗があるもの。そういうときに、心がけたいのが〝イエス、バット(Yes、but)方式〞という接客方法。相手の言葉に対して、いったん「そうですね」と受け止めることで、その後の否定的な言葉を和らげ持っている背景や相手との関係性といった表面には表れないメッセージがあります。そのメッセージも含めて、発言したり、受け止めたりしないと、行き違いを招くことになるんです」ることができます。この場合なら、「そやな、寒いもんな〜」と、まず受け入れたら、お母さんも「認められた」と感じ、次の展開も変わってきたと思います。そして、大切なのは「しまった!」と思ったら、すぐに「ゴメン」と言葉にして伝えること。後悔しないためにも、その場で清算しておくようにするといいですね。あんな寒い格好で…勝手にし!寒がってないしいいやんお母さんへの最後の嫌みのような一言も、ちょっと余計でしたね。僕なら、子どもの〝服〞を〝心〞に置き換えて、「心はポカポカしてるから、大丈夫!」って、返すかも。クスッと笑えるヒネリを加えることで、お母さんも「勝手にし!」とは言えなくなるのでは。さらに、「お母さんのあったかい心を、私もこの子も引き継いでるから」と続けると、お母さんもつい「何言うてんねん、もう(笑)」。お互い笑い合って、めでたし、めでたし、です!2014年2月22日1663号☎075(212)4411㈹http://kyotoliving.co.jpリビング京都がまるごと読めるあります電子ブック

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