リビング京都 東南版 10月4日号
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◇2面に続く「ニシンとナス」「タケノコとワカメ」のように、組み合わせることでおいしさが増すものを〝であいもん〟と呼びますね。料理だけではなく私たちにも、合わさることでそれぞれの魅力をさらに発揮できることはあるのでは? そんなエピソードを持つ人々を紹介しましょう。あなたの〝であいもん〟も、すぐそばにあるかもしれませんよ。活版印刷機「チャンドラー」と村田良平さん。「インクの量や練り具合、圧力のかけ方など、難しいところがいっぱい。まだまだ勉強中です」「植物を編む」と名付けられたネックレス。プロテアの花びらと絹糸を編んだもの(外側)、アカネの根と絹糸を編んだもの(内側)撮影:桂伸也、松井学近くの道路や公園のほか、山や海にも素材集めにでかけるそう。「素材を拾っているときは宝探しをしているような気持ち」。身に着けているのはサンゴのネックレス「時間にゆとりができたとき、以前から歩いていた場所の景色が違って見えたんです」と話すのは川井有紗さん(31歳)。拾い集めた草木や花、石、貝殻などを使ってアクセサリーを作るアーティストです。京都造形芸術大学を卒業後、就職。仲間にも恵まれ充実しているにもかかわらず、毎日のスピードの速さに戸惑い、本当の自分との距離を感じるように。そして5年前に一文字ずつ活字を組み合わせて作った活版を機械にセットして、1枚1枚刷る活版印刷。現在はコンピューターが主流となっているため、使われることはあまりありません。ですが、グラフィックデザイン工房「りてん堂」の村田良平さん(40歳)は、この活版印刷機とともに、新しい道を歩むことになりました。もともと冊子のデザインをする仕事をしていたころから、活版印刷に興味を持っていた村田さん。仕事の傍ら、印刷所退職。そのとき気が付いたのは、身の周りにある自然の美しさだったとか。「葉っぱ、木の実、根っこ。生きている姿も、枯れ行く姿も、枯れた後の姿もすべてが美しく見えました」(川井さん)初めは目的なくそれらを拾い集めていたものの、次第にアクセサリーにして身に着けたいという創作意欲がわき、作品作りに夢中になったそう。以来全国で個展を開きながら作品を発表してで活版印刷について教えてもらっていたそう。ところが、その印刷所が廃業することに。このまま活版印刷機が処分されてしまうなら自分がと、村田さんは機械を譲り受け、デザイン事務所を開く決意をしました。「いつか独立をと思ってはいたのですが、活版印刷は技術を持っている人が廃業するほど、需要のない業種。しかも印刷機本体、何万個とある活字となると、重さもあり、広さも必要で、最初は悩みました。でもデザイナ「植物を編む」と名付けられたネック「植物を編む」と名付けられたネック近くの道路や公園のほか、山や海にも素材集めにでかけるそう。「素材を拾っているときは宝探しをしているような気持ち」。起業を後押しした活版印刷機時代に合った新製品も植物や石、貝殻など〝自然の美〟をアクセサリーに「りてん堂」村田良平さん「e.n.s」川井有紗さんいます。2年前には、作品の販売もするアトリエを南区の東寺近くにオープン。花びらを組み込んだネックレス、種や木の実に純金箔(きんぱく)を施したピアスのほか、オブジェなどのアート作品もディスプレーされています。どれも普段は見過ごしてしまいそうな何げない素材ですが、川井さんが光をあてることで、その美しさに気付かされます。「できるだけそのままで。無理に手を入れないようにしています。そうしていると、人も自然に生きていいんだよって感じさせてくれるんです」ーとして活版印刷に可能性があると感じて」と村田さん。2012年、左京区一乗寺に「りてん堂」をオープン。現在はグラフィックデザインと活版印刷を行っています。今では村田さんがデザインをした図柄と活字を組み合わせてオリジナルのポストカードなどを製作。50年以上使いこまれた機械は、まだまだ現役。村田さんのアイデアによって、新しい印刷物を作り出しています。お互いを輝かせる、の化学反応!命運2014年10月4日1690号1 0120(855)123土日祝除く 午前9時30分~午後5時 http://kyotoliving.co.jp/リビング京都検索本誌・送料とも無料2014年度版家づくり京都でかなえるBuilding Your Dream Home in Kyoto 2014ハウスドゥ! イメージキャラクター古田敦也氏(元プロ野球選手)10120-350-340京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町670番地京都フクトクビル5F 国土交通大臣①第8077号その家を「ハウス・リースバック」家に住みながら買い取ります

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