リビング京都 西南版 11月29日号
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◇2面に続く4月から進めてきた「京美人プロジェクト」は、今回が最終回。これまで紹介した内容をリビング読者の感想を交えながら振りかえってみました。11月5日には、京都を中心に活躍する歌人と着物ライフプロデューサーを招いて〝おさらい会〟も開催。みなさんの〝京美人度〟はどれくらいアップしましたか?「京美人プロジェクトおさらい会」の参加者とゲスト講師の柾木良子さん(写真中央)。「語尾に母音の〝い〞が付く言葉を言うと、口角が上がってきれいな笑顔になりますよ」という柾木さんのアドバイスを受け、全員で「はい、おさらい〜」リビング読者から寄せられた「京美人とは」の声をもとに、〝京美人度〞をアップしようと、実施してきた紙上レッスン企画「京美人プロジェクト」。各レッスン(右・下のコラム参照)へのリビング読者の感想を聞くと―。「立ち居振る舞い」(6月7日号掲載)では、基本となる姿勢の保ち方や美しい所作のコツを紹介。「日常の動作をあらためて考えるよいきっかけになりました」(KY)、「これから実践していきたい」(S・40歳)といった声が寄せられました。季節感を大切にする「京都ならではの丁寧な暮らし方」(8月23日号)では、五節句をはじめとした風習やしきたりに込められた家族への思いに共感する人も多かったようです。「9月9日の重陽の節句は知りませんでした」(MM・32歳)、「重陽の節句には、しきたり通りに菊に真綿を乗せてみました。来年もしようと思います」(R)もっとも反響の多かったのが「京言葉でおつきあい」(10月11日号)。京言葉の歴史的な背景、使い方のケーススタディーを取り上げたところ、「京言葉には歴史、文化、コミニュケーション術な〝京美人〟における、着物と立ち居振る舞いの関係は濃厚。着物ライフプロデューサーの柾木良子さんは、「着物を着たときの身のこなしを、普段の洋服での立ち居振る舞いに応用すれば自然と美しく整います」と話します。そして、すべての動きに共通するのが、「上半身の姿勢」。美しい姿勢を保つために、①左右の肩甲骨を寄せるようにして、胸をはる②あごを上げすぎずに首をのばし姿勢をキープ③下腹部の丹田に力をいれる、という3ステップを伝授してもらいました。着物ライフプロデューサー柾木良子さん「姿勢が悪く、実年齢よりも老けて見えます。紙面で紹介されていた上半身の姿勢を心がけています」(K)「意識を変えるだけで、りんとした印象を与えられるということがわかりました」(YY)ど、さまざまな〝京都〞が含まれているんだということがわかった」(W)、「京言葉は日常的に使っていますが、相手を思いやる気持ちや奥深さをあらためて知りました。若い人もずっと使ってほしいと思う」(N)など、さまざまな感想が聞かれました。京都とのゆかり、年齢撮影/深村英司にかかわらず、〝京美人〞は、京都への思いがあってこその存在なのかもしれません。やわらかな口調、遠回しな表現など数々の特徴を持つ京言葉。「京ことばの会」代表の中島さよ子さんは、「平安京のころから1200年以上かけて磨かれてきた言葉」と解説してくれました。宮中の上品な雰囲気をかもす言葉の響きが、ゆっくりとやさしい口調に。「かつて戦の中で自分の身を守るために相手を傷つけないためにも直接的な物言いを避けたことから、えん曲な表現が発達したのではないでしょうか」。京言葉には、歴史と文化、たけたコミュニケーション術が秘められています。「京ことばの会」代表中島さよ子さん10月11日号 vol.4京都・西陣の呉服商「冨田屋(とんだや)」13代目の田中峰子さんには、伝統や風習を大切にした暮らし方について教えてもらいました。田中さんは「そのひとつひとつに、家族の健康や子どもの健やかな成長、家業の発展といった思いが込められています」と。「重陽の節句」(9月9日)など五節句の意味や節句の飾り物に込められた思い、五感で季節を楽しむ住まいのしつらい、旬の食材こそがごちそうといった話が登場。いずれも現代の暮らしにしっかりと取り込んでいきたいものです。冨田屋(とんだや)田中峰子さん8月23日号 vol.36月7日号 vol.2「『おおきに』や『かんにん』など、これから時々使っていきたい」(AO)「京都に引っ越してきて10年。少しは京言葉を使うようになりました。歴史が作り上げた言葉だということが勉強になりました」(NH)「五節句は身近なものなので、子どもにも伝えられるように覚えておきたい」(YK・38歳)「季節の花や旬の食材は、積極的に日々の暮らしに取り入れていっています」(T・43歳)(協力/カフェランス烏丸店)2014年11月29日1697号詳しくは中面3Pへ☎075(212)4411㈹http://kyotoliving.co.jpリビング京都がまるごと読めるあります電子ブック
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