リビング京都 中央版 1月10日号
3/20

(3)新春号中央第1701号京都市司会/山舗恵子(リビング京都編集長)兵庫県生まれ、女性デュオ「花*花」でメジャーデビュー、現在はソロ活動も行う。左京区在住で、夫と小学1年生の息子との3人家族。「京都市次代の左京まちづくり会議」にも参画こじまいづみさんこじまさんは、京都に引っ越して来られて20年と聞きましたが、ご自身が育った環境と違う場所での子育てはとまどうこともあったのでは?こじま「今7歳の息子が生後4カ月のころアレルギーを発症したんですが、いろいろ相談できるママ友や、頼れる人もいなくて、子育てに役立つ情報も探せずにいました。一人暮らしの時は、地域とのかかわりってほとんどなかったんですが、家族ができて初めて地域とのつながりの大切こじまさんのようなお父さんお母さんを、白井さんは「昼間里親」として長年にわたって支援され京都市教育長を経て、平成20年2月、京都市長に就任。妻と共働きで3男1女を育て、現在は孫2人のおじいちゃんとして、ソムリエならぬ〝ソフリエ〟を自称門川大作さん京都市長小学生のママ、乳児園の園長、京都市長が「京都での子育て」について語り合いました子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを子育てを地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える地域で支える〝京都モデル〞〝京都モデル〞〝京都モデル〞〝京都モデル〞〝京都モデル〞〝京都モデル〞さを痛感しました。京都に住んではいても、自分から積極的に動かないと地域の情報は得られないのだとわかったんです」門川「ご苦労されたんですね。この5年ほどで、京都市の子育て環境は大きく変わりました。たとえば、平成21年度からは標準的な妊婦健診には、14回まで使える無料受診券を配布。同23年度からは、初妊婦などのご家庭いろいろなニーズに応えられる施策を子育てには地元との強いつながりが必要思いやりの心は乳幼児から育まれます昨年、京都市は保育所待機児童ゼロを達成しました。門川「市長就任以来、子育て環境の充実に懸命に取り組んできました。たとえば昨年までの6年間で、合計49カ所の保育所を新設・増改築。新たに約3300人の子どもたちが入所できるようになりました。その結果、入所児童数は過去最高の2万8868人に。関西の政令指定都市では初めての『待機児童ゼロ』を達成したんです。幼稚園教育の充実にも取り組んでいます。また、小学校に入学する前の児童に占める保育所児童の割合は43・5%。これも政令市の中で最高水準なんですよ。おかげで働く保護者の方も増えて、ある意味イタチゴッコなんですが、今春も約900人の定員増で〝待機児童ゼロ〞が維持できるように頑張っていきます」こじま「保育所が増えるのは本当にありがたいですね。一方で、気になるのは保育所の先生方の大変さです。先生の疲れた顔を見ると、話したいことがあっても遠慮してしまいました。子どもが小学校に入ったいま、先生たちが元気になれるよう恩返しをしたいと思っています。先日もある保育士会の会合に呼んでいただいて、ライブをさせていただきました」白井「お預かりしている間、親の大変さを肩代わりするわけですから、保育の現場は大変です。そんな中でも、日本の子育て文化を継承していかないといけません。門川市長が立ち上げられた、『京都市未来まちづくり100人委員会(※2)』ていますね。白井「私自身、娘を産んだときに世の中から孤立したように感じたんです。それで40年ほど前、地域で子育てを支え合う京都ならではの『昼間里親制度(※1)』に注目して、白井乳児園を立ち上げました。社会とのつながりを持ちたかった」こじま「すごい! 逆転の発想ですね」白井「長年活動していて感じるのは、相手を思いやる心を乳幼児のころから育むことの大切さ。うちの園では、子ども用のキッチン、おもちゃの包丁も置いています。家事や育児のまねごとは、遊びとはいえ、家庭生活を経験しているのと同じ。そうやって育まれた家庭力がベースになって、夫婦や家族への思いやりの心が自然と養われると思っています」門川「そのとおり。乳幼児から人としての力を身につけるのは大切ですね」(※1)昭和25年開始の京都市独自の保育制度。保育を必要とする10人前後の児童(0歳児〜2歳児 ※一部例外あり)を、市が認定した昼間里親が、その居宅など家庭的な雰囲気のもとで保育するもの昼間里親「白井乳児園」の園長。NPO法人親子ハートコンタクト理事長として、さまざまな子育て支援活動を行う。京都市昼間里親連絡会会長、「京都市子ども・子育て会議」委員白井敞子(けいこ)さん座談会の会場となった「こどもみらい館」では、同館を訪れていたお母さんや子どもたちと一緒に撮影も。昨年15周年を迎えた同館には、1日に平均1300人以上の親子が訪れますへの参加をきっかけに、5年前に『ハッピー子育て塾』をつくりました。音楽会、親子遠足などさまざまな活動を企画し、幅広い世代に参加していただいています」門川「ありがたいですね。保育所だけではなく、一時預かりや病児保育などいろいろなニーズに応えられる施策を充実していくのはもちろん、皆でサポートし、地域で子育てを支えるモデルを京都から発信していきたいですね。子どもたちは地域の宝ですから」白井「全国で唯一、昼間里親事業を60年以上にわたって続けてきた京都ならきっとできます!」を保健師や助産師さんが訪問する『こんにちはプレママ事業』もスタートしました。お母さんたちが必要な情報をお届けできるよう、また地域のネットワークとつながりやすくなるように、民間団体や企業のみなさまと一緒に取り組みを進めています」こじま「ずいぶんと変わってきているんですね。心強いです」こじま「そうですね。京都の子育て支援施策にも期待したいです」門川「待機児童ゼロは達成しましたが、これで終わりではありません。多くの方々のご期待にしっかり応えられるよう、引き続き全力で取り組んでいきます」(※2)京都のまちづくりについて市民自らがテーマを設定し、課題解決に向けて行動する市民協働の取り組み  ♢ ♢ ♢子育て支援策などの問い合わせは、京都市保育課(中京区烏丸通御池下ル、井門明治安田生命ビル内)=☎075(251)2390=へ。昨年4月に待機児童ゼロを達成し、さらに子育て環境の充実を進める京都市。今回は、左京区で子育て中のシンガー・ソングライターのこじまいづみさんと、長年乳幼児と保護者の支援に携わる白井敞子(けいこ)さん、京都市長の門川大作さんに「京都市で子育て」をテーマに語り合ってもらいました。※文中敬称略

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です