リビング京都 東南版 2月14日号
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春近し。皆さんはどんなときにその訪れを感じますか? 立場が違うと視点も変わるため、春の到来を告げるものやタイミングもさまざま。さて、京都で活躍するこちらの6人に届く〝春の便り〟は━。 撮影/児嶋肇、桂伸也ほかその人ならではの アンテナで、ャッチキ季節を京都市動物園の島田かなえさんは、飼育員になって2年目。先月26日朝、いつものように担当するサル舎へ行くと、マンドリル(オナガザル科)のオネが、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしている姿を見つけました。「妊娠を確認したのは昨年11月ごろ。マンドリルの妊娠期間は180日なので、赤ちゃんには少し早い春に会えると思って心待ちにしていました」。赤ちゃんが春を連れてきてくれたようですフランスで生まれ、フレンチの料理人として京都で14年を過ごしてきたステファン・パンテルさん。昨年、オーナー・シェフを務める「リョウリヤ ステファン・パンテル」を開業しました。そんなステファンさんは、「フキノトウが出てくると、もう春なのかと気持ちがあせります(笑)」と話します。1月下旬のころですね。ね。現在、お父さんのベンケイは別室で生活。2匹の間にできた第1子のマンゴーとオネ、赤ちゃんが一緒の部屋で過ごしています。「おっぱいも上手に飲ませていますし、心配せずに見ていられます」とのこと。「今は、ずっとお母さんにくっついている赤ちゃん。暖かくなるころには、少しずつ離れて動きだすと思うと、春の到来が楽しみです」「メニューは、季節を先取りして考えるもの。でも、クリスマス、年末年始はバタバタと忙しく、そのころはまだ春の料理に考えが及んでいないんです。フキノトウの顔を見ると、次の料理を考えなくてはと背中を押される気がしますね。同時に、春に向かう楽しさも感じます」フランスでは、山菜や野草を食べることはあまりないそうですが、地元で収穫された食材にこだわるのがステファンさん。大原や静原などで採れたフキノトウを使って、香りを生かしたソースに仕上げることが多いのだとか。「少し青い匂いがいい。日本に来てから、旬をいただく楽しさに目覚めました」「リョウリヤ ステファン・パンテル」オーナー・シェフステファン・パンテルさんマンドリルは年に何度も発情するので、出産時期はさまざま。「寒い時期の出産になることを心配していましたが、無事に生まれてきてくれてうれしいです」※右がオネ。写真は1月19日(出産前)に撮影「マンゴーが生まれたときと比べて、赤ちゃんは顔がちょっと赤いですね」(1月26日撮影/写真提供・京都市動物園)「雪が残る地面にフキノトウの姿を見ると、寒い冬の中でもう春がスタンバイしているんだと驚かされます」チューリップを中心に、ユキヤナギやスイートピー、フリージアといった春の花たちが勢ぞろい。「花は、人を笑顔にしてくれる魅力があります」今年は、マンドリルの赤ちゃんが春の使者京都市動物園の飼育員島田かなえさん池坊学園エクステンション講座担当正村曉子さんチューリップにワクワクドキドキ地下鉄「四条」駅の構内にあるガラス張りのショーケース。展示されているいけばなに、季節の彩りを感じる人も多いのでは? このコーナーでは、池坊学園エクステンション講座でいけばなを担当する講師5人の作品を展示していて、週1、2回入れ替えられています。「一番春を感じさせてくれる大好きな花がチューリップ。年中出回ってはいても、この季節はひときわ美しさを増しています」と明るい笑顔の講師・正村曉子(さとこ)さん。「スイートピーやフリージア、マーガレットなどやわらかなパステルカラーの花が多いのが春。幸せなイメージを抱きますね。春の花たちが出始めると、気持ちがワクワクしてきます」と、花を見つめながらにっこり。それが、花器にいけはじめると表情が一転。「花を美しく生かすためには、決断力が必要。花と対話しながら『きれいね。今日の主役はあなたよ』って。花たちも私の気持ちに応えてくれるような気がします」◇2面に続くそろそろ春の料理をと告げるフキノトウ届きましたか便り、2015年2月14日1705号☎075(212)4411㈹http://kyotoliving.co.jpリビング京都がまるごと読めるあります電子ブック

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