リビング京都 中央版 3月28日号
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(10)2015年3月28日(土曜日)中央第1711号  営業:●●●  制作:野島(紅林)PolarStar032801E43z13送電事連※リビング新聞の記事は、弊社および関連のwebサイト上に掲載され 0120(000)000ゲラチェック欄 ※確認印をお願いしますTELFAXURL検索QR価格日時写真03/1210:563/1214:5503/1220:0003/1220:1003/1210:4003/1214:35西東京南むさしの東京副都心まちだ東京東多摩千葉ふなばしさいたまかしわとちぎ横浜南横浜東田園都市東京つくば大江戸湘南特送り3/912:453/913:0003/0914:1203/0914:3203/1114:5003/1115:303/1619:503/1811:5503/1812:4803/1814:4603/19了11:30取材協力/電気事業連合会http://www.fepc.or.jpカリスマ講師&経済解説者の細野真宏さんに聞きたい! 家計を預かる主婦にとって、消費税増税や物価の上昇は家計に響く悩みのタネ。そんななか、生活に欠かせない電気代も上がっています。でも、それはなぜ? そこで今回、読者の大澤典代さんと本間麻衣さんが、カリスマ講師で経済解説者の細野真宏さんを訪ね、話を聞きました。節電をしているのに電気料金が上がっているのはなぜ?家庭では2割、企業では3割も上がっている電気料金!どうする!?地球環境問題。日本が世界のためにできること日本のこと、世界のこと、そして次世代のこと改めてエネルギーのこれからを考えたい発電量の9割を火力発電に頼る事態に原子力が停止している現状では一日約100億円以上が海外に流失?!出典:日本のエネルギー2014(資源エネルギー庁)出典:日本のエネルギー2014(資源エネルギー庁)News勉強室ミセスの 「なぜ電気料金が上がっているのでしょうか?」との細野さんの問いに、「原子力発電所が止まって、その分、火力発電が増えているから?」と本間さん。 「そうですね、では今、火力発電の割合はどれくらいになっていると思いますか?」との質問に「よく分からない」と2人。 「まずは震災前ではどうだったか振り返ってみましょう。日本には石油などの資源がほとんどなく、エネルギーの約94%を輸入に頼っています。 「ここでもう少し考えてみましょう。原子力発電が停止していても、停電はしていません。でも、本当にこれで問題はないのでしょうか」と細野さん。「確かに停電はしていないけれど…」と本間さん。 「実は、これには大きく3つの視点を知っておく必要があるのです。1 「太陽光発電や風力発電をもっと活用できないのですか?」との本間さんの問いには、「それも重要な選択肢ですが、それだけでは当面は技術的にもコスト的にも無理があるのです」と細野さん。 「太陽光発電などは天候にも左右されますし、もちろん夜などは発電できません。今後技術の進歩も期待できますが、原子力や火力の分を代替するのは、当面は難しいのが現実なのです」 「毎月の電気料金は“上がっている”と感じますか?」。細野さんから大澤さん、本間さんへの質問で話はスタート。 「節電をしていますが、東日本大震災前と比べる 「そして3つ目。そもそも震災前は火力発電を減らして原子力発電を増やしていく計画がありました。なぜだと思いますか?」との細野さんの問いに、「大気汚染ですか?」と本間さん。 「そうです、震災前は地球温暖化対策の切り札として、発電時にCO2を出さない原子力発電を増やす計画でした。最近はあまりニュースに出ませんが、地球温暖化問題は世界では、大きな関心事なのです」 「知らなかった」と大澤さん。細野さんの解説は1973年に起きたオイルショックでは、原油価格が一気に高騰し、日本中が大混乱しました。日本はその反省から、石油だけといったような特定の燃料に依存し過ぎないよう、原子力発電の開発に取り組んできた背景があったのです」 「震災前、日本の発電量のうち約3割が原子力発電でまかなわれていました。現在、原子力発電所はすべて停止していますから、その3割分の電力がなくなったわけですね。電気は生活や企業活つ目は停電のリスクです。先ほどお話しましたが、緊急避難的に老朽火力発電所を使用し続けているということは、いつトラブルが起きて止まってもおかしくない状況。つまり、今は停電していなくても、そのリスクは確実に高まっているわけです」 「2つ目は、経済的な また「そもそも再生可能エネルギーが増えると電気料金は上がるんですよ」との細野さんの言葉に、驚いた2人。「電気料金には、太陽光発電などで作った電気の買い取り費用を国民が負担する“再生可能エネルギー発電促進賦課金”というものが含まれています。つまり、再生可能エネルギーが今後増えていけば、私たちが支払う“再エネ賦課金”も電気料金に上乗せされていくわけなのと、月々1000円から1500円くらい増えています」と本間さん。 「実は、震災前と比べると、家庭の電気料金は全国平均で約2割上昇しています。昨年、消費税続きます。 「火力発電は大量のCO2を排出します。現在の日本は“火力9割”ですよね。その結果、CO2排出量は2010年度に比べて2013年度は約1億トン増加しています。でも、CO2排出が日本だけは社会問題になっていませんね。震災前はCO2排出量をあれほど気にしていたのに…。EUの要請では、日本は2030年の段階で、2010年に比べて、CO2排出量を3割近くも減らさないといけなくなる方向になっているにも動に欠かせませんから、停電させるわけにはいきません。電力会社は緊急対応として、停止させていた古い老朽火力発電所までも強引に復旧させて、電気を送っています。その結果、現在では、発電量の約9割をも火力発電に頼る事態になりました。これは驚くべきことにオイルショック時の約8割を超えるレベルなのです」と細野さん。 「初めて聞きました。そのことはあまり報道されていないですね」と大澤さん。負担の増加です。火力発電の燃料である石油、石炭、天然ガスは海外から輸入しているため、火力発電が増えれば増えるほど燃料費も膨らみます。電力会社の火力発電の燃料費は、震災前の2010年度から2013年度にかけ、年間4・1兆円も増加しています。4・1兆円と言われてもイメージしにくいと思いますが、一日あたり約100億円以上のお金を海外に支払っているのです。これは電力会社が支払っている金額なのですが、燃料費の負担は、結局は電気料金に跳ね返ってくるので、実質的に私たち日本人が負担している状態なのです」です」。「電力問題って、知らないと困る仕組みがあるのですね」と顔を見合わせる2人。 「そうですね、総合的な視点で見るためには、電力問題には知っておくべきことが多いのです。当面の課題は“火力9割”からの脱却です。特定の発電に依存しすぎることはリスクがあります。特に火力発電の燃料は中東地域に依存していますから、戦争が起きれば燃料を輸入できなくなる恐れもあります。私たちが普段の生活で“テレビの中の出来事”と実感のないリスクを、きちんと自分のこととして考えておかないといけないのです」 「温暖化問題でも求められているのが、火力、再生可能エネルギー、そして安全性が確認された原子力発電などを、バランスよく使っていくこと。“電気は足りているからいいじゃないか”と思いがちですが、このままでは電気料金がさらにが5%から8%になったときは、3%のアップで日本中が大騒ぎになりましたよね。それに比べて電気料金は約20%も上がっていますから、ケタ違いですね」と細野さん。 「さらに、企業の電気料金は約30%上昇しているんです。この電気代を商品の販売価格に上乗せしない限り、利益が減ります。利益が減れば、会社も給料を上げにくくなかかわらず、むしろ、減るどころか急激に増加し続けているのが今なんです」 「日本という国だけでなく、世界、そして地球が持続可能かということを考える上で、現状の緊急避難的な“火力9割”には問題があることは認識しておく必要があります。私たちは、普段の生活では目の前のことばかりに視点が行きがちですが、幅広い視野で考えることが重要です。単純に“電気が足りているからいいじゃないか”と思ってしまうと、そこで思考400600800100012001261140020101,25620112012882868857374439486+6.5%1990年度比2010年度比■電力部門のCO2排出量■電力部門のCO2排出量以外1,3071,343+1121990年度(京都議定書基準年)大学在学中に予備校の教壇に立ち、大学受験用の「数学が本当によくわかるシリーズ」が200万部を突破する大ベストセラーとなる。その後、ラジオのパーソナリティをこなすほか、講演活動など幅広く活躍中。経済本として日本初のミリオンセラーを記録した「経済のニュースがよくわかる本・日本経済編」や「世界一わかりやすい株の本」「細野真宏のつけるだけで節約力がアップする家計ノート」「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?」など、著書は累計700万部突破。総理大臣直轄の「社会保障国民会議」委員なども歴任 電気料金の値上がりは、家庭だけでなく企業にも影響があるとは。「値上がりはイヤ!」「節電しているのに電気代が高い!」とただ嘆くのではなく、“なぜそうなのか”をきちんと知り、考えることは大切ですね。 主婦にとって、光熱費、特に電気料金はとても気になります。電気料金のことを入口に、日本のエネルギーについて、難しい内容を分かりやすく説明していただき勉強になりました。子どもたちにもかみくだいて話したいです。細野真宏さん本間麻衣さん大澤典代さん左から細野真宏さん、大澤典代さん、本間麻衣さん“なぜそうなのか”を考えることが大切なんですね日本のエネルギーのことを、子どもたちにも話したいです■温室効果ガス排出量の推移 [単位:百万-CO2]■電気料金の推移  [円/kWh]では、一緒に考えてみましょう!2005201013.6520.3724.3317.53201326242220181614122010年度比+19.4%2010年度比+28.4%電力料金主に工場・オフィス用電灯料金主に一般家庭用火力や原子力などの最適なエネルギーミックスについてもう一度考えよう、と議論中東日本大震災以降、原子力発電所が順次停止発電電力量のうち、火力発電が約9割に!電気料金が家庭で約2割、企業で約3割上昇貿易立国・日本のモノづくりにも影響1日約100億円も燃料代を海外に支払っている…家計も圧迫雇用や賃金にも影響本日のおさらい日本の電力って今、どんな状況?日本の電力って今、どんな状況?この状態が続くと…この状態が続くと…だから今だから今世界では地球温暖化が大問題!が止まってしまいます。実際のところはどうなのかと、一歩踏み込んで仕上がったり、地球環境にも悪影響を及ぼし続けたりするわけです。断片で判断するのでなく、全体像をキチンと見ながら、エネルギーのバランスを考えることが重要です」 細野さんの分かりやすい解説に「電気料金の話が、家計のみならず、地球規模の話になるなんて思いもしなかった。エネルギーのことをもっと勉強しなくては」と2人は大きくうなずいていました。ります。電気料金が上がると、家庭はもちろん、給料や雇用問題にも影響が出てきますから、これは私たちの生活に関わる大事な話なんですよ」組みを理解しようとする努力が、私たち大人には必要なのです」

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