リビング京都 東南版 9月5日号
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佛教大学保健医療技術学部准教授。理学療法士。姿勢と運動・環境との関わりを運動学の観点から研究。社会人や高齢者、障害者を対象に、姿勢によるトラブルの予防・改善などに取り組む活動も白星伸一さん◇2面に続く姿勢にまつわる日頃の動作と姿勢には大きな関わりが。生活習慣の見直しや運動によって対策を日頃から「姿勢よく!」と子どもに注意したり、〝姿勢が悪くならないよう〞気をつけたり。│でも、正しい姿勢ってどんな姿勢?今回は、姿勢にまつわる読者の認識について、専門家が〝ホントのところ〞を解説。姿勢を正しく整えるためのアドバイスを取り入れてみませんか。撮影/ナリタナオシゲほか イラスト/オカモトチアキ「人間の背骨は複数の骨によって構成されていて、横から見ると全体がゆるやかなS字カーブを描いているのが正しい形状です」そう話すのは、佛教大学保健医療技術学部准教授・白星(しらほし)伸一さん。「その骨格の形や位置を維持し、姿勢を保つ働きを担っているのが、骨や関節を取り巻く筋肉や靭帯(じんたい)です。〝良い姿勢〞とは、姿勢を維持する筋肉や骨格などに偏った負担がかからず、バランスよく保たれている状態。この状態は、立つ、座るといった動作をするとき、最も効率のよい形といえるでしょう」読者のコメントに対しては。「無理に胸を張ると、体の重心がずれて腰が反り、骨盤が前傾するので、腰の骨の湾曲が強くなります。この〝反り腰〞は、腹部に脂肪の多い人や妊婦にも現われがち。腰回りの筋肉に過剰な負荷がかかり、腰痛の原因になることもあります。逆に、背骨がまっすぐになるほど、体への衝撃が吸収されにくくなって腰の痛みなどを招くことも。このタイプは〝フラットバック〞といい、やせ形で背の高い人に多く見られます」読者からは、「片足に重心をかけて立つ」(チェリー・41歳)、「バッグをいつも同じ肩にかける」(IA・47歳)、「長時間、前かがみで作業」(HY・67歳)といった習慣が、悪い姿勢につながると思う意見も。「確かに、体の左右・前後のいずれかに偏った動作や作業は、筋肉のバランスを崩し、姿勢に悪影響を与えます。他にも、自分の体に合わない靴や椅子・机を使い続けるといった生活環境、加齢による筋力の低下なども姿勢を悪化させる原因となります」骨格のゆがみ・ずれなども姿勢の悪化を招くのでしょうか。「長年の生活習慣によ白星さんによると、「まずは、自分の普段の姿勢を客観的に把握することが大切」とのこと。「体格などによって、良い姿勢は多少異なりますが、理想的とされる形から大きく外れないようにするのがポイントです」左上のイラストを目安に、自分の立ち姿をチェックしてみて。り、高齢になるにつれて変形性関節症や神経障害などを起こすことがあります。ただし、40歳以下の人で、治療を要するほど変形が進行するのはまれ。生活習慣や環境の見直し、運動などによって、修正可能な場合がほとんどなんですよ」脚を組むならこまめに左右を入れ替えたり、バッグは背負うタイプのものを使ったり。同じ動作が続く場合は、適度に休憩を取って筋肉をほぐすストレッチをするのもおすすめとのことです。「筋力を維持・強化することも大切。背骨を支えるには、腹筋30%・背筋70%が正常なバランス。背筋力を鍛える運動も心がけましょう」良い姿勢とは、「胸をはって、背筋をまっすぐ!」ですよねUT・44歳ゆず・54歳脚を組んで座ると、骨格がゆがむと思っています正しい知識で、ピシッ!これって【横から見て】壁を背にして立ち、耳の穴・肩・骨盤・膝と膝裏の中心点、くるぶしが壁と並行に一直線上※壁と腰の隙間が、拳1つ分以上の人は〝反り腰〟、隙間に手が入らない人は〝フラットバック〟の可能性が【後ろから見て】後頭部の出っ張り、背骨、お尻の割れ目、脚・足首の隙間の真ん中が一直線上で、左右の位置・形状が均等白星さんによると、「ま骨格や筋肉に負担をかけることもあります。大切なのは、バランス理想的な姿勢の目安本誌・送料とも無料土日祝除く午前9時30分~午後5時 1 0120(855)123リビング京都検索http://kyotoliving.co.jp/京都でかなえる家づくり2015年度版Building Your Dream Home in Kyoto 20152015年9月5日1729号

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