リビング京都 中央版 3月12日号
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(7)2016年3月12日(土曜日)中央第1752号京都府立医科大学大学院 医学研究科 総合医療・医学教育学教授・山脇正永さんに聞きました生命の危機につながるケースもある、高齢者の「摂食・嚥下(えんげ)障害」。日本人の死因第3位の肺炎のなかでも、この症状が一因となる「誤嚥性肺炎」の割合が高いといわれています。私たちは、普段の生活でどのような点に注意すればいいのでしょうか。全国で280カ所以上の有料老人ホームを運営する「ベネッセスタイルケア」では、摂食・嚥下障害の知識を学ぶ「地域医療セミナー」を開催。講師の京都府立医科大学大学院 医学研究科 総合医療・医学教育学 教授・山脇正永さんに話を聞きました。山脇正永さん京都府立医科大学 学長特別補佐、京都府立医科大学大学院 医学研究科 総合医療・医学教育学 教授、京都府立医科大学附属病院 総合診療部 部長、医療管理政策学修士(MMA)、日本神経学会 神経内科専門医、日本内科学会 総合内科専門医、認定内科医、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士、医学博士主催/ベネッセスタイルケアベネッセの「地域医療セミナー」 3月19日(土)開催食べる楽しさ、生命をも脅かす「摂食・嚥下(えんげ)障害」とは肺炎の原因にもなる、高齢者に多い症状摂食・嚥下の高度なメカニズム加齢による機能低下が障害に生命に関わる「誤嚥性肺炎」普段の生活での気づきも重要摂食・嚥下障害とは、どういった症状ですか。「摂食とは〝食べようとして口に入れること〞、嚥下とは〝かんでゴクンと飲み込むこと〞。摂食・嚥下障害とは飲食物を口まで運び、うまく飲み込めないなど、食事をする能力に支障がある状態のことを指します」摂食・嚥下障害が起こる原因を教えてください。「摂食・嚥下には5つの段階があります。まず、食事をすることを認識し、口に運ぶ『認知期』。次に、食物を口に取り込み、飲み込みに適した食塊を作る『準備期』。口から咽頭(いんとう)へ送り込む『口腔期』。反射運動で咽頭を通過する『咽頭期』。最後に、食道の入り口が開いて通過する『食道期』です(下記図1参照)。この一連の動きにかかる時間は約0・3秒。そのごく短い間に、左右それぞれ30対の筋肉が順番に動き、飲食物を食道から胃に送ります。この高度な動きをコントロールしているのが脳や神経です。摂食・嚥下障害と肺炎に関連があるとの話でしたが、詳しく教えてください。「摂食・嚥下障害で怖いのは、食物や唾液が食道ではなく、気管に入って起こる『誤嚥性肺炎』です。通常は気管に異物が入ると、それを外に出そうと、せきなどの反射が起きます。ところが、せきなどに使う筋肉の機能が低下したりすると、むせることもなく誤嚥し、食物や唾液に含まれた細菌が肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎を発症します。誤嚥していることを本人も周囲も気づかないケースが多く、分かりにくい病気の1つ。繰り返し発症しやすいという特徴もあります」ところが、これらがうまく働かないと食物や唾液などが誤って気管からそのまま肺に入り、肺炎の原因にもなる『誤嚥』が誤嚥を起こさないために、周囲の人が気づける兆候はありますか。「1つは、食べたり、飲んだりしたときにむせていないか。あとは、飲食後、喉がゴロゴロした口腔ケアや筋力アップ、日常の会話が予防にも効果的ケアをするときの注意点を教えてください。「食事面では、あごを引いた姿勢でゆっくり食べ、食べ物にはとろみをつけるなど、飲み込みやすい工夫をしましょう。大きな塊を口にしないことも注意点の1つです。菌などの繁殖を防ぐため、口の中を清潔に保つことも重要です。口の中の感覚が鈍ると飲み込みがスムーズにいかなくなるので、刺激をするという意味でも歯磨きは大切です。誤嚥は寝ている間にも起こります。特に介助が必要な人など自分で歯を磨けない人には、口腔ケアに口の中のマッサージなども取り入れてください」歯磨き以外に、日常での予防策はありますか?「首周りの筋肉をつけることも有効ですね。あおむけになった状態で、つま先を見るように首を曲げるだけでも簡単に鍛えられます。口周りの筋肉をしっかり動かせるカラオケもおすすめです。そして、〝話す〞こと。最近は一人暮らしの高齢者も増加しているため、会話量が減っている人も少なくありません。人と交流することはメンタル面でもメリットがあるので、どんどん外出をして会話を楽しんでいただきたいですね」今回のセミナーでは、どんな話が聞けますか。「ちょっとしたことに気づくだけで摂食・嚥下障害、さらには誤嚥性肺炎の予防につながります。セミナーでは、障害を正しく理解し、状態に応じた適切な対応をすることで、安全に楽しく食事が続けられることをお伝えできればと思います」り、ダミ声になっていないかも気にしてあげてください。嚥下障害があると、自分ではゴクッと飲み込んだつもりでも、喉の奥に飲食物が残っていることがあります。そのままでいると気管に入る恐れもあり危険です。食事の時間が長くなった、眠っているときに唾液でむせて起きてしまうなどもサインの1つですので注意してください。いずれもささいなことと思いがちですが『年のせいだから』で終わらせず、気になる症状があれば早めに受診を。当院では、アンケート調査票(左表参照)に答えていただき、それを指針として診察を進めていきます」〈セミナー講師〉山脇正永さん〈会場〉ベネッセの有料老人ホーム「グランダ山ノ内」(京都市右京区山ノ内養老町7-1)交通=地下鉄東西線「西大路御池」駅から徒歩9分(約720m)、京福電鉄嵐山線「山ノ内」駅から徒歩2分(約160m)、阪急京都線「西院」駅から徒歩15分(約1150m) ※地図参照〈定員〉先着50人※参加希望者は、前日までに電話で予約を10120(02)3715ベネッセの「地域医療セミナー」予約制参加無料●西大路通西大路通西大路通三条通三条通三条通四条通四条通四条通春日通(佐井通)春日通(佐井通)春日通(佐井通)西小路通西小路通西小路通島津製作所島津製作所島津製作所地下鉄地下鉄地下鉄御池通御池通御池通京福京福京福山ノ内駅山ノ内駅山ノ内駅西大路三条駅西大路三条駅西大路三条駅西大路御池駅西大路御池駅西大路御池駅西院駅西院駅西院駅阪急阪急阪急★グランダ山ノ内「摂食・嚥下障害の基礎知識」~飲み込みのメカニズムからリスクマネジメントまで~3月19日(土)午後2時~3時30分生命の危機に直接つながる危険性もある、高齢者の摂食・嚥下障害。普段の生活で食事中のむせ、せきこみなどが気になることはありませんか? セミナーでは、食べる機能とその障害に関する基礎知識や誤嚥性肺炎の予防、摂食・嚥下障害への対処法について、専門医の視点から詳しく説明してもらえます。主催/ベネッセスタイルケア早期受診のメリットを教えてください。「まずは、早めに摂食・嚥下障害の治療をすることで誤嚥性肺炎の予防につながります。障害の原因を検査する過程で脳梗塞など、その他の病気が見つかることもあります。摂食・嚥下障害の人は、栄養が取れなくなることで体重が減ったり、元気がなくなります。このような状態になると、やがて筋肉が衰え、体力が落ち、認知レベルも低下する悪循環に陥ります。これを断ち切るポイントの1つとしても、早期受診が、とても重要なのです。さらに身体への影響以外に、〝食べる楽しみ〞が失われる点も見逃せません。食べるということは、それ自体が心を豊かにすることですし、家族や友人とのコミュニケーションの場でもあります。これらを確保することは、医療従事者の大きなテーマにもなっています」全国で280カ所以上の有料老人ホームを運営する、ベネッセスタイルケアの2つのホーム「グランダ南禅寺下河原町」「グランダ山ノ内」で「現地見学会」を開催中です。サービススタッフを24時間、看護職員を毎日配置し、機能訓練指導員によるリハビリも充実。意匠にもこだわる上質な住空間を確かめてみませんか。午前10時から午後5時の間であれば、誰でも自由にホームを見学できます(予約不要)。ホームの生活に疑問や不安があれば、気軽に相談を。資料請求も随時受け付け中。自立から要介護5、認知症の人も入居可※身体などの状況により、入居できない場合もあります「グランダ南禅寺下河原町」/外観土地建物の所有形態:事業主体非所有「グランダ山ノ内」/エントランスラウンジ〈施設概要〉■住所/グランダ南禅寺下河原町(京都市左京区南禅寺下河原町53-1) グランダ山ノ内(京都市右京区山ノ内養老町7-1)■入居要件/入居時自立・要支援・要介護、契約時原則満65歳以上■居住の権利形態/利用権方式■利用料の支払方式/選択方式■居室区分/全室個室※ 「グランダ南禅寺下河原町」「グランダ山ノ内」は住宅型有料老人ホーム。自立から要介護5、認知症の人も入居可。要介護(要支援)認定を受けている人は、ケアプランに基づき、地域の介護保険サービスやホーム併設の同社訪問介護事業所が利用可能です。介護サービスの費用は別途要2ホーム同時開催!「現地見学会」(予約不要)ベネッセの住宅型有料老人ホーム「グランダ南禅寺下河原町」「グランダ山ノ内」電話での連絡の際は、申し込み番号「G6031238」と伝えてセミナー予約・問い合わせ・資料請求起こることがあります。食道に送るための筋肉の機能低下が原因で、食物が咽頭にとどまり窒息などで死に至るケースもあります(左記表1参照)」摂食・嚥下障害は高齢者に多くみられるとのことですが、その理由とは?「65歳以上の人の場合、一般的に2・5〜3つの持病があるといわれています。当院で摂食・嚥下障害がみられる高齢者の持病を調べたところ、脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管障害がある割合が55%、認知症とパーキンソン病が約7%ずつ、さらに筋委縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病といわれるものもありました。つまり脳や神経の病気が摂食・嚥下障害に大きく影響していると考えられるのです。また、加齢による嚥下運動にかかわる筋肉の働きや骨の位置・動きの低下も、高齢者に多くみられる理由といえます」表1/高齢者の増加で〝窒息〟が交通事故を抜いて1位に。平成20年は9419人が亡くなっています。※厚生労働省「不慮の事故による死亡の年次推移」から平成10年~20年を抜粋交通事故転倒・転落溺死窒息0246810121416千人平成101998年11991220001301,,,,,,,,,1402150316041705180619072008火災中毒「不慮の事故」の種類別にみた死亡数の年次推移9,4197,4997,1706,4649,4197,4997,1706,46413,4647,5576,1435,6071,33955913,4647,5576,1435,6071,339559アンケート調査票● 肺炎と診断されたことがありますか● 夜、寝ている時に 咳き込むことがありますか●食事時間が長くなりましたか● 食後に咳き込むことはありますか● かたい物が食べにくくなりましたか● 唾液や食べ物が 飲み込みにくいですか● 食事中にむせることが ありますか(具体的に)●声がかすれてきましたか(抜粋)ベネッセの介護 関西検 索http://kaigo.benesse-style-care.co.jp/kansai/10120(02)3715午前9時~午後6時(土・日・祝日も含む毎日)ベネッセスタイルケアお客様窓口東京都新宿区西新宿2‒3‒1 新宿モノリスビル〝窒息〟が増加しています軟口蓋鼻腔舌硬口蓋下顎骨喉頭気管食道唇口蓋垂図1/「のど」の構造と「摂食」「嚥下」咽頭(のど)口腔
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