リビング京都 東南版 3月19日号
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(3)2016年3月19日(土曜日)東南第1753号京都市右写真の茶色の粒、これは〝木質ペレット〞といって、専用のボイラーやストーブなどで使える燃料です。京都の森を救う手段として期待されているのだとか。京都市は東山、北山、西山に囲まれ、面積でいうと約3/4を森林が占めています。その森が近年、危機的状況にあるといいます。「その理由は、林業が低迷していること」とは木質ペレットは、木材を細かく砕き乾燥させてから、小さな円筒状の粒に圧縮、成型したもの。この燃料を使うことが、間伐材の有効利用という面で山の整備につながるのはもちろん、地球や人に優しいことも特徴と奥村さん。「木質ペレットを燃やすときに発生する二酸化炭素は、もともと木が大京都市産業観光局農林振興室林業振興課の奥村高弘さん。「林業は、木を間引く〝間伐〞によって木を大きく成長させ、健全な森をつくることに貢献しています。しかし、木材が安価で採算が取れないことで、間伐されずに放置された山が増えています。そうすると日光が林内に届かず下草が生えないた気中から吸収したもの。ですからこれを燃やしても大気中の二酸化炭素を増加させない〝カーボンニュートラル〞な燃料です。木材だけで作られている点も特徴。接着剤や化学製品などの添加物は使用していないので燃やしても、有害な物質が出ないのです」現在までに、京都市の助成制度を使い、介護施設や入浴施設にボイラーが、農業用ハウスに温風機が導入された実績も。また同制度が利用され、これまでに250台ほどの家庭用ストーブも設置されています。こうした動きが広がることが、森の荒廃のストップにもつながるんですね。●京都市産業観光局農林振興室林業振興課=中京区寺町通御池上ル、☎075(222)3346め、雨水をためる能力が低下。これが災害発生の一因となります」そこで京都市では、間伐材を有効に活用するため、木質ペレット普及の取り組みを2009年度から実施。木質ペレットを作る工場が建設されたことで、京都市内産の間伐材を使った〝京都産ペレット〞の製造がスタートしました。まきストーブや暖炉があるリビング、すてきですよね。木質ペレットには家庭用のストーブもあります。3年前から木質ペレットストーブを設置しているIさんは、「標高が高い場所に住んでいるため、冬の朝には氷点下になることも。約46㎡と広めのLDKに置いているのですが、しっかりと暖まりますよ」とのこと。家庭用木質ペレットストーブのイメージ森林光合成排出ペレット燃焼伐採成長カーボンニュートラルCO2燃焼時に発生するCO2は、木の成長過程で光合成により吸収したCO2であり、大気中のCO2を増やしません。吸収吸収大気中の二酸化炭素を増やさない特徴も木質ペレットストーブを自宅に設置カーボンニュートラルの仕組みの特別養護老人ホーム西山寮では木質ペレットボイラーでお風呂の湯を沸かしています。「私たちの施設は自然に囲まれた場所にありますので、環境に良いものをと思いました」(同寮事務長・髙木充弘さん)オーガニックnicoの代表・中村新さんは野菜作りをする際の温風機に木質ペレットを利用。「温風機も地球に優しいほうがいいと選びました。燃料を入れるときには木の香りがしますよ」。木質ペレット温風機1台で500㎡のハウスを加温しているそう間伐材を燃料です有効活用した荒廃ストップ一役買うに困ったときは1人で悩まず相談を誰もが安心・安全に豊かな消費生活を送れる社会を。そんな思いで、京都市消費生活総合センターでは、市民からのさまざまな消費生活相談に専門的な知識と経験を持つ相談員が応じています。困ったときは相談してみませんか。京都市消費生活総合センター御池通四条通烏丸通京都市消費生活総合センター地下鉄烏丸御池駅地下鉄烏丸御池駅地下鉄烏丸御池駅河原町通河原町通河原町通地下鉄四条駅阪急烏丸駅地下鉄四条駅阪急烏丸駅地下鉄四条駅阪急烏丸駅★阪急河原町駅阪急河原町駅阪急河原町駅地下鉄京都市役所前駅地下鉄京都市役所前駅地下鉄京都市役所前駅同センターのキャラクター「クーリング・オフマン」同センターは烏丸御池東南角のビルの4階にありますその時々の話題の出来事を悪用する詐欺も多いと中野さん。最近では「マイナンバー制度」に便乗した不審な電話や訪問が全国で発生し、現金を渡してしまう被害も報告されているそう。4月から始まる「電力自由化」に便乗した詐欺の増加も予想されるので、注意が必要とのことです。では、このような不審な電話や訪問には、どのように対応したらいいのでしょう。「『いいです』『けっこうです』といった肯定とも取れる言葉は使わず、『いりません』『必要ありません』ときっぱり断るようにしてください」実際に自分が架空請求や不審な電話などに直面したら、適切な対応ができるか不安ですが…。「少しでも不安に思うことや困ったことがあれば、1人で悩まず、家族や友人、京都市消費生活総合センターにご相談ください」2014年度、同センターへの相談の中で大きな割合を占めたのが、アダルト情報サイトなどの利用料と称した不当・架空請求に関する内容。若年層だけではなく、高齢者からの相談も年々増加しているそうです。「インターネットやスマートフォンの普及によって、ワンクリック詐欺などの危険に触れやすくなっているためと考えられます」と同センター・中野武士さん。「スマートフォンなどを操作中に料金説明や契約の意思確認の画面表示がないにもかかわらず、いきなり登録済みとなり、料金の請求画面が表示されることがあります。この場合、契約は成立していません。慌てて相手に連絡してしまうと電話番号やメールアドレスなどの個人情報を知られてしまいます。決して連絡せず無視しましょう」「マイナンバー制度」や「電力自由化」に便乗した詐欺も■ 京都市以外に住んでいる人は、地域の消費生活センター または消費者ホットライン=☎188(いやや!)=へ同センターでは、内容に応じた相談窓口が用意されています消費生活、多重債務、法律などの相談に応じてくれます☎075(256)1110京都市中京区烏丸御池東南角 アーバネックス御池ビル西館4階(地下鉄「烏丸御池」駅「3-1」「3-2」出口からすぐ)、土日祝・年末年始(12月29日~1月3日)は休み9075(256)0801暮らしの中での消費生活に関するトラブルの相談に対応平日(午前9時~午後5時)▶面談による相談も受け付け(個別の相談ブースもあり)▶ 土・日・祝日(午前10時~午後4時) ☎075(257)9002(NPO法人が対応)※ 同センターのホームページからも相談できます(「京都市インターネット消費生活相談」で検索を)消費生活相談☎075(256)0800消費生活専門相談員が事情を聞いたうえで、弁護士などの法律の専門家に橋渡しします平日(午前9時~午後5時)多重債務相談☎075(256)3160弁護士による法律相談。時間は20分、面談のみ※開催日時、面談の申し込み方法は上記まで問い合わせを法律相談(問い合わせ)☎075(256)2007平日(午前9時~午後5時)▶面談による相談も受け付け交通事故相談☎075(256)2140示されることがありま☎075(256)3160本人の意思を尊重できる〝みとり〟とはそれぞれの課題として考えてみませんか?啓発マンガやリレートーク集を4月から無料配布京都地域包括ケア推進機構医療・介護・福祉関係の団体や大学などが集まり、〝オール京都〞体制で設立された京都地域包括ケア推進機構。「最期まで住み慣れた地域で安心して暮らしたい」と望む高齢者をサポートするために、さまざまな取り組みを展開しています。その一つが、みとりをテーマにした制作物の発行・配布。〝自分らしく〞最期を迎えるため、どのようなことを心がければいいかなど、誰もが身近なこととしてみとりを考えるきっかけに作られています。昨年には、京都精華大学と連携してマンガ仕立ての啓発冊子を制作。こちらが好評だったため、現在、2作目として「生きる〜最期に過ごすもう一つの家〜」が手がけられています。物語の舞台は特別養護老人ホーム。高齢者のみとりを軸に、その家族や介護職員との交流が描かれています。巻末には、「みとりを希望する場所は?」といった、京都府におけるデータも掲載。現状や課題に触れることができそうです。KBSラジオで放送された落語家・笑福亭昇瓶さんと医療・介護・福祉関係者とのトークをまとめた「リレートーク集」も制作。「介護や医療が必要になっても自分らしい生き方を」と思う人だけでなく、その周囲の人にも役立つ話が満載です。この2種類の冊子は、4月から、京都府庁総合案内・相談センター、府保健所、京都市内各区役所・支所といった関係公的機関の窓口などで無料配布されます。気軽に手にとってみては。〈問い合わせ〉京都地域包括ケア推進機構=京都市上京区下立売通新町西入ル藪ノ内町、☎075(414)4573「リレートーク集」表紙施設で暮らす高齢者がどのように最期を迎えるか、周りの人々との交流を交えて描かれています「生きる〜最期に過ごすもう一つの家〜」より

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