リビング京都 西南版 4月30日号
2/12
(2)ゴールデンウイーク特別号西南第1758号東山泉中学校の南を通る道は木々に覆われ、緑一色。新緑の季節に歩くにはぴったりです。西向きに進むと、正面に泉涌寺悲田(ひでん)院が見えてきました。泉涌寺の塔頭(たっちゅう)の一つですが、少し離れたところに位置しています。約1400年前、聖徳太子が貧しい人や身寄りのない子どものために造った施設が、悲田院の始まりだといいます。「初めて訪れたときは、思いがけない光景に出合えてうれしくなりました」と田中さん。境内の北側に案内してくれます。そこには、門前の道からはまったく目にできなかった眺望が!「大文字の送り火は見えませんが、山自体は五山すべてが望めます。比叡山の山頂も、少し頭をのぞかせていますね」身近な町並みも、見下ろしてみるとなんだか新鮮。「あの建物は何?」「うちはどの辺りかな」と、家族で盛り上がれそう。京都の熊野信仰の中心地として創建された新熊野(いまくまの)神社。紀州の熊野に対し、京都の〝新しい〞熊野という意味が名前に込められています。「640年ほど前、ここで室町幕府3代将軍・足利義満は一人の少年を目にします。境内で猿楽の能を舞っていた、当時12歳の世阿弥です。世阿弥は父・観阿弥とともに能を披露していました。その素晴らしさに感銘を受けた義満。親子を屋敷に呼び寄せて援助し、能の振興に貢献します」と若村さん。義満の保護を受け、新しい演目を次々と生み出した世阿弥。能の芸術性は高まり、武家が楽しむ芸能へと進化していきました。境内はかつては今の何倍もの広さがあったそう。能舞台が設けられた位置ははっきりしていませんが、「能」と書かれた記念碑が世阿弥の功績を伝えています。「上皇手植えの樟(くすのき)」も見どころの一つ。樹齢は約900年と推定され、世阿弥が訪れた時代から境内に根を張っていました。「触ると健康長寿の御利益があるといわれています。特に〝おなかの神様〞として親しまれていますよ」芸能上達を願って訪れる人も多い新熊野神社「よい水が湧き出たことから、この辺りは〝吉水〞という地名で呼ばれていたそうです」と若村さん「左手にある、寺の建物に囲まれたところが十牛之庭。緑あふれる景色が見下ろせます」(田中さん)「法」は少し左へ移動すれば見ることができます鳥居形左大文字船形妙法足場が作られていて、幹をぐるりと一周できるようになっています八坂神社から円山公園を抜け、東山のふもとへ。突き当たりに、塀に囲まれた門が見えてきます。こちらが安養寺。「門のちょうちんを見てください」と、若村さんが早速ポイントを教えてくれます。「〝吉水草庵(よしみずそうあん)〞と書かれています。およそ800年前、浄土宗を開いた法然が教えを広めるため、こちらに築いた拠点です。この場所で法然は〝南無阿弥陀仏〞を唱えると救われる、と説いていました。そこへ訪ねてきたのが親鸞(しんらん)です」親鸞というと、浄土真宗の開祖ですね。「29歳のとき、親鸞は20年にわたり修行をしていた比叡山から下山します。そして聖徳太子のお告げに導かれ、法然に会いに来たのだそうです」70段を超える石段を上がると安養寺の本堂があり、振り返ると美しい景色が見られます。「これまでの仏教とは異なる念仏に対する法然の考えは、親鸞に大きな影響を与えます。その意思を受け継ぎ、親鸞も独自の教えを唱えていきました」法然との出会いが、浄土真宗が生まれるきっかけとなったようです。「境内奥の東照宮周辺で、〝絶景〞に出合えます」と田中さんがいうのは、一乗寺の住宅地の中に立つ圓光寺(えんこうじ)。「景色以外にも魅力がたくさんある寺なんです」と、田中さんは白い砂が敷き詰められた枯れ山水の前で立ち止まります。「こちらは数年前に造られた奔龍庭(ほんりゅうてい)。雲海から竜が出てくる様子を表しているんです」中門をくぐると十牛(じゅうぎゅう)之庭や竹林と、自然豊かな光景が。こちらを抜けて裏山の坂を上がり、東照宮に向かいます。「東照宮には寺を開いた徳川家康が祭られています。この周りの杉木立の幹と幹の間から垣間見られる眺めが気に入っています。では、もう少し進んでみましょう」木々が開けた場所では、眼下には境内、そして京都市街の景色が見渡せます。「正面にあるのが愛宕山ですね。洛北の眺めだけではなく、嵐山の方まで見通せますよ」坂道を歩くのは1分もかからないほどですが、山頂に上がったかような気分になれました。東山区今熊野椥ノ森町42(市バス「今熊野」停から徒歩3分)、☎075(561)4892。参拝自由左京区一乗寺小谷町13(市バス「一乗寺下り松町」停から徒歩10分)、☎075(781)8025。午前9時~午後5時。料金/大人500円、中学生~高校生400円、小学生300円東山区泉涌寺山内町35(市バス「泉涌寺道」停から徒歩10分)、☎075(561)8781。午前9時~午後4時30分DATEDATEDATEDATE観光ガイド、京都の歴史・文化についての講座の講師として活躍行き先をルーレットで決めるなど、ユニークなテーマを設定したツアーや、イベントを企画ナビゲーター「らくたび」代表若村亮さんナビゲーター「ことぶら」代表田中英哉さん行き先をルーレットで決めるなど、ユニークなテーマを設定したツアーや、イベントを企画「ことぶら」代表田中英哉さん観光ガイド、京都の歴史・文化についての講座の講師として活躍ナビゲーター安養寺(東山区)新熊野神社(東山区)圓光寺(左京区)泉涌寺悲田院(東山区)東山区円山町624(市バス「祇園」停から徒歩15分)、☎075(561)5845。午前8時~午後5時法然を訪ね、新たな宗派を開いた親鸞世阿弥の舞い姿が義満を魅了洛北、そして遠くには嵐山の風景も塔頭から見渡す京都の山々歴史上の人物の出会い素晴らしい景色との出合い1「奇跡の星の植物館」入館とローズガーデンの招待券2オーガニックコスメ「ひみつの庭」5種セットを希望番号と商品名、〒、住所、氏名、年齢、電話番号を書いて応募を。5月6日㈮必着。ホームページは同日午前10時締め切り「兵庫県立淡路夢舞台温室・奇跡の星の植物館」(淡路市)の展示室では、5月29日(日)まで「淡路夢舞台薔薇祭2016」が開催されています。テーマはバラの国・ブルガリア。併設する屋外ローズガーデンでも、5月14日(土)~6月12日(日)に特別展「ローズガーデンショー」を実施。5月14日~6月12日のみ利用できる両イベントのペア招待券(大人1人1000円)を、読者10人に。淡路夢舞台・奇跡の星の植物館=☎0799(74)1200モルトベーネ=☎03(3204)0111トータルコスメブランド「Loretta(ロレッタ)」(モルトベーネ/東京都新宿区)から生まれた、オーガニックコスメライン「ひみつの庭」。天然成分のやさしい香りも魅力のひとつです。ボディー用スキンオイル、ボディーミルク、ハンドクリーム、リップエッセンス2種が入った「ひみつの庭」ギフトBOX(1万800円)を、読者3人に。■〒604-8560(住所不要) 京都リビング新聞社「リビング京都」プレゼント係【応募要項】応募は、はがき・リビング京都ホームページで。※当選者の発表は発送をもってかえます。原則として商品は提供社から発送。同意のうえ応募を2次元コード対応機種のみ利用可■http://kyotoliving.co.jp (スマートフォン・ケータイは右上の2次元コードからアクセス可) ※ホームページからの場合は「Web会員」の登録が必要ですプレゼントします429祝金3祝火51日この度の「平成28年熊本地震」でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り致しますと共に被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈り致します。会場にて受付中!!すべて無料で行いますまずは建物診断から始めませんか?床下がどんな状況かわかりやすく報告いたします隅々まで住宅の専門家が調べるから安心です!!新築そっくりさんでは、現地建物を重要視しています。お客様のご要望に対して裁量のプランとベストプライスをご提案し、末永く責任のあるお付き合いをさせていただくため、プランやお見積の前に現場事前調査を致します。ご契約前のコンサルティングにつきましては、費用は発生しません。お気軽にご相談ください。☎075(212)4411まで広告掲載のお問い合わせ・お申し込みは
元のページ