リビング京都 西南版 6月18日号
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(7)2016年6月18日(土曜日)西南第1763号応接室で、西京高校の魅力を教えてもらいました(写真右から、木村優也さん、桐也くん、校長・竹田昌弘さん、野田拡志くん、佳美さん) 前身の京都府商業学校創立(1886年)から130年。伝統ある京都市立西京高等学校を訪れたのは、木村優也さん・桐也くんと、野田佳美さん・拡志くんの親子。桐也くん、拡志くんは京都市内の中学2年生です。 2003年から商業に関する学科がなくなり、〝社会人力〟を身につけ、グローバル社会でのリーダーの育成を目指す「エンタープライジング科」のみとなった同校。公立でありながら中高一貫校で、一学年280人のうち120人は附属中学からの内部進学生(内進生)です。 校長の竹田昌弘さんは、「今後ますますグローバル化が進む時代に活躍できる人を育てていきたい。〝進取〟〝敢為(かんい・あえて困難なことに立ち向かう)〟〝独創〟の教育理念のもと、3つの〝C〟を目標に掲げています」と熱く語ります。 3つの「C」とは、Collaboration(社会に関わる力)、Communication(人とつながる力)、Challenge(知と向き合う力)を意味しています。 「大学合格も目指していきますが、それで終わりではありません。大学卒業後の先も見据えて、学んだことをどう生かしていくのか。社会が幸せになることと自分が幸せ 京都市内の公立高校の〝今〟を探るシリーズ第2回は、中高一貫教育のもと、エンタープライジング科を設ける京都市立西京高等学校を取り上げます。「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」指定校であり、1年生全員が参加する海外フィールドワークは7カ国が対象。活気あふれる同校を2組の中学生とその保護者が訪ねました。取材協力/京都市立西京高等学校京都市中京区西ノ京東中合町1http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/saikyo 1年生は共通時間割、2年生から自然科学系(理系)、社会科学系(文系)に分かれ、前期・後期の2学期制を採用。「授業」を重視し、年13回の「土曜活用講座」、年10回の模擬試験で自身の学力を確認できます。 SGH指定校にふさわしく、学内設備も充実。各教室には無線LANが完備され、全生徒がタブレット端末を使用。4人のネーティブスピーカーの教師が、生きた英語を指導します。2年生の「課題研究」では、大学さながらに、心理学、メディア、哲学などの専門ゼミでの研究も。自ら考え、発表する機会も多く設けられています。2年生後期からは、補習を強化。入試は「入れる大学」ではなく「行きたい大学」を目標に、センター試験は全員受験で臨みます。 学校行事、クラブ活動にも西京生は全力投球です。体育祭、文化祭は附属中との合同。中高一貫の良さがいかんなく発揮される楽しい一コマでもあります。 「本校は、内進生と、高校から入学してくる外部進学生(外進生)を分けずに、ともに学ぶ環境を整えています。内進生は、〝外進生は厳しい受験を突破したすごい人たち〟と感じているようです」と話す竹田さんに、「でも、内進生は中学からレベルの高い学習をしてきたので、外進生は追いつくのが大変だと思います」と正直な感想を述べる木村桐也くん。 「そういう気持ちを抱き合っていますから、一緒のクラスになったとき、お互いをリスペクトし合って、高め合う力が生まれているんですよ」と竹田さん。 入学直後の学習合宿に始まり、1年生の3月には、「海外フィールドワーク」が待ち受けています。 SGHのプログラムの一環として、アジアを中心とする7コース(シンガポール、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、上海、グアム)から行き先を選択。現地で調査したいこと、行きたいところなど事前リサーチを経てコースを決定します。 ちょうど訪問した日は、今年3月に海外フィールドワークを終えた、2年生の発表会も行われていました。生徒や保護者、教育関係者らも詰めかける中、成果を生き生きと報告する生徒たち。「ベトナムの医療と健康」「グアムの生態系」など現地に即したテーマに取り組んでいました。 「どんなことも主体的に学ぶ姿勢が大切。本校の卒業生は大学のゼミでもリーダーの立場となり、企業でも活躍しています。社会に出てからこそ〝エンプラ魂〟が発揮されると確信しています」と竹田さん。 見学を終えて、「勉強も学校行事も盛りだくさんで、レベルも高そう。でも、全て自分のためになることだと思いました」と野田拡志くん。保護者の佳美さんも「本当に充実して楽しそうですね」とにっこり。木村優也さんは、「社会に出てもなかなか自分の意見が言えない人が多いが、高校から人間力が鍛えられるのは素晴らしい」と感心しきりでした。人間力を高める教育がいいですね7階にある「大講義室」。300人収容で1学年全員が入れます4万3500冊の蔵書を持つ図書室は、京都市内の公立高で最大級。閲覧スペースもゆったりンタープライジング科で 世界を見据えた教育を実践エい目標を持って学び 学校行事、部活にも全力投球高カ国のフィールドワークで 現地の課題に挑む7▲1年生の野稲大樹さん(写真中央)。演劇部とESSを兼部し、充実の高校生活をスタートさせています。「僕も外進生。西京に目標を定めたのは、中2の夏だったよ」と、〝未来の後輩〟のためにアドバイスしてくれました同校の学術顧問を務める、ノーベル物理学賞受賞の赤﨑勇さん寄贈のLEDオブジェ「青色の滴」。夜になると、先端が青色に光ります▲水泳部は全国レベルの実力。男子シンクロナイズドスイミング〝ウォーターボーイズ〟も抜群のチームワークをみせます(文化祭での様子)になることを結びつけてほしい。生徒には、高校時代に、二兎も三兎も追いなさいと話すんですよ」▼校舎間の吹き抜けにある茶室「松韻庵」。裏千家を学びます。教頭の小野恭裕さんが案内してくれました中学生と保護者が京都市立西京高等学校を訪ねました▲メモリアルホールで行われた海外フィールドワーク発表会。MCも生徒が務め、きびきびと進行していきます掲載エリア北西(池)北中(万)北東(茨)京阪(菊)南大(泉)大シティ大北(城)大南(浪)阪東(崎)阪中(甲)阪北(歌)他神明(明)神東(灘)送り組都合0510デザイン進行管理

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