リビング京都 中央版 7月2日号
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(3)2016年7月2日(土曜日)中央第1765号原子力発電所は40年以上運転しても大丈夫なの?電力自由化がスタートし、電気への関心が高まっています。電気をつくる原子力発電所にも新たな動きが。関西電力に現状を聞きました。●関西電力ホームページ内 「あくなき安全性の追求」http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/anzenkakuho/index.html関西電力のホームページでは原子力発電所の安全対策や運転期間延長認可申請について、詳しく紹介されているので、参考に。ホームページも参考に原子力発電所はいつまで運転ができるの? 原子力発電所も運転期間に制限はありませんでしたが、2012年に「原子炉等規制法」が改正され、運転期間が40年までと定められたのです。ただし、それと同時に、審査をして認められれば60年まで延長できる「運転期間延長認可制度」が導入されました。最長で60年まで運転することができます 4月に電力自由化がスタート。これまで以上に家庭で使う電気について関心が高まっています。 その中で、電気をつくる原子力発電所にも新たな動きがあります。原子力規制委員会によるさまざまな審査などを経て、関西電力の高浜発電所1号機・2号機の、60年までの運転期間延長が、6月に全国で初めて認可されたのです。 自動車には、定期的に検査を行い、安全性の確認を義務づける〝車検〞の制度があります。車検に合格すれば、自動車は使用期限などはなく、乗り続けることができます。では、原子力発電所の場合、運転期間などは、どのようになっているのでしょうか? 運転期間40年を経て新たな動きが40年以上運転しても大丈夫なの? 原子力発電所では定期的・計画的な点検に合わせて、経年による機器の劣化に対応するため、計画的に機器の取り替えを行っています。高浜発電所1号機・2号機でも、主要な機器の多くは、順次取り替えており、高い安全性を確保しています(図1参照)。 なお、アメリカでも運転期間40年を延長できる制度があります。アメリカでは稼動中の99基のうち81基が60年までの運転期間延長が認可されており、うち38基がすでに40年を超えて運転中です。60年間運転しても問題ないよう計画的に機器を取り替えています原子炉容器上蓋蒸気発生器タービン復水器原子炉建屋制御棒原子炉容器発電機海水蒸気水タービン建屋原子炉格納容器高温水加圧器ウラン燃料送電線へ高圧給水加熱器低圧給水加熱器(高浜発電所1号機・2号機の場合)赤色の部分は取り替え済み図1※ 取り替えが困難な機器についても、「特別点検」などで健全性を確認しました 運転期間延長の認可を受けるための「特別点検」では、例えば、原子力発電所の劣化状況を詳しく調べるために、原子炉容器や原子炉格納容器については、目視や試験などにより、異常のないことを確認。また、発電所建屋についてはコンクリート製の構造物のサンプルをとり、強度を測定するなど細かな検査を行います。 このような「特別点検」以外にも、原子力発電所では、日常的な点検をはじめ、1年、10年ごとに定期的に点検が行われています(図2参照)。延長運転に耐えうるかを細かく点検しますでも、取り替えが難しい機器はどうするの?活動運転開始後年数1日常的に行う【日常の保守・点検】日頃から、設備や機器を点検します… 20年目30年目50年目60年目2約1年に1回行う【定期検査】各設備の状態を見極めて、今後の点検計画などを決定。修理も行われます連続的、定期的約13カ月ごと約10年ごと運転延長までに3約10年ごとに行う【定期安全レビュー】最新技術やほかの発電所のトラブルから得た教訓の反映をチェック430年目以降10年ごとに行う【高経年化技術評価】年数を経たことでの劣化を踏まえて運転に支障がないかをチェック5運転延長までに行う【特別点検】希望する延長期間に耐えうるか、劣化が考えられる設備を点検します40年目図230年目50年目40年目10年の長期保守管理方針もあわせて定める掲載エリア北西(池)北中(万)北東(茨)京阪(菊)南大(泉)大シティ大北(城)大南(浪)阪東(崎)阪中(甲)阪北(歌)他神明(明)神東(灘)送り組都合0510デザイン進行管理

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