リビング京都 中央版 11月19日号
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(7)2016年11月19日(土曜日)中央第1782号 実は、日本はクレジットカードのIC化後進国。ヨーロッパや東南アジアの一部の国では100%に近いなど、世界各国が急速にIC化しているのに対し、日本ではICチップ付きのカードは7割程度で、カードリーダーのIC対応率は2割未満。その結果、海外の犯罪組織からも狙われるリスクが高まっています。近年はネット取引における不正使用被害も急増、カードの不正使用による被害は、2015年で120億円にも上るそう。不正使用されても、多くの場合はカード会社が補償してくれますが、私たちもより安全性の高い選択を心掛けましょう。“日本は安全”は大きな間違い!?レストランのテーブルでカードで支払う時は?A店の奥に持って行って、決済B読み取り機付きの端末で、その場で決済1caseどっちが安全?次の決済方法のうちスキミングされにくいのは?Aシュッとスライド+サイン (磁気ストライプ)Bカチッと挿入+暗証番号 (ICチップ)2caseどっちが安全?Aカード番号と有効期限を要求B3ケタか4ケタのセキュリティコードも要求Cカード決済専用のIDやパスワードも要求カード決済時に最も安全なネットショッピングサイトは?3caseどれが安全?ショッピングサイトへのカード情報の登録は?A入力の手間が省けるので、できるだけ登録B登録はせず、その都度入力する4caseどっちが安全?これだけは気を付けよう!自己防衛の5つの原則 日々のちょっとした行動や心掛けが、あなたのクレジットカードを守ります。できることから始めましょう。 クレジットカードは大事な情報の宝庫。カード番号、有効期限のほか、名前やセキュリティコードも印字されているので、それらの情報を控えられたりすれば、ネットショッピングなどで利用されてしまう可能性も。磁気ストライプの場合は短時間でスキミングされてしまい、偽造カードを作られてしまうこともありえるので注意が必要です。クレジットカードから目を離さない!1 主なカード会社では、ネットショッピングで本人確認ができる専用のパスワード登録を勧めています。今後はこのパスワードを使った仕組み(3Dセキュア)で決済するネットショップも増えてくると思われるので、パスワードをカード会社に登録しておくといいですね。ただし、登録したパスワードは忘れないように気を付けて。対応ネットショップも増加中本人認証用パスワードの登録を!3 決済金額が合っているか、身に覚えのない引き落としがないかなど、クレジットカードの利用明細は必ずこまめに確認を。特にWEB明細を利用している場合は、自分でチェックしない限り、もし不正利用があっても引き落とされるまで分かりません。おかしな点があればすぐにカード会社に連絡を。日数がたちすぎると補償されないことも。何枚かカードを持っている人は、使った覚えがなくても毎月すべてのカードをチェックすること。カード会社によっては利用状況をメールで知らせてくれるサービスも。一度調べてみては?明細書は毎月必ずチェック!5 カードを使うときは、できる限り不正使用防止に有効なICチップ付きを選択して。ただし、ICチップ付きのカードでも、お店の決済端末が“カチッ”と挿入+暗証番号を入力するタイプでないと対応できません。対応していない場合は磁気ストライプを読み込むことになります。ICカードが使えるお店も増えていますので、まずは自らICチップ付きカードを選択しましょう。できるだけICチップ付きカードを選択する!2 サイトへの登録など、オンラインサービスにログインする際に必要となるパスワード。これを使いまわすと、1つのサイトから情報が流出したときに、ほかで不正に使われる可能性あり。パスワードはメインフレーズをひとつ決め、記号やサイト名を組み合わせるなど、変えやすく覚えやすい工夫を。パスワードはカードと一緒に保管しないことも大切です。パスワードは使いまわさない! ICチップ付きカードでは暗証番号を大切に。「暗証番号をカードに記載していた」「暗証番号を記載したものをカードと一緒に保管していた」「暗証番号が誕生日と一緒だった」など、カード会員に重大な過失が認められた場合、カードが不正使用されても補償してもらえません。「カードの裏面に署名をしていなかった」もそう。ドキッとしたあなた、今すぐ対応を!暗証番号は大切に管理。カードには必ず署名を!4セキュリティコード署名記入欄ICチップクレジットカード番号2020年までに「100%IC化」を実現! 「カード情報を盗ませない」「盗んだ情報を使わせない」ために、経済産業省ではクレジットカード取引の各関係事業者の協力を得つつ、2020年に向けて「クレジットカードの100%IC化」「決済端末の100%IC化」「本人認証システムの拡大」といったセキュリティ対策を強化する制度を準備中。カード会社もお店も私たちも、それぞれがより安全性の高い選択をすることが、便利に安全にカードが使えるカギになりますね。番外編クレジットカード使い方警報発令中手軽で便利なクレジットカード。でも、最近カード情報の漏洩や不正使用のニュースが気になります。クレジットカードを使うときは、より安全性の高い行動を選択したいもの。それぞれのケースではどっちがより安全か、日ごろの行動を振り返りながら考えてみて。取材協力/日本クレジット協会日ごろの行動を振り返ってみようANSWER セキュリティコードはカードに書かれた3ケタか4ケタの数字のこと。カードが手元にないと分からないので、カード情報の悪用を減らせます。IDやパスワードを要求する「3Dセキュア」は、決済時にカード会社の認証が必要。事前に本人が登録したパスワードで認証、カード自体にはその情報が一切ありません。入力は少し面倒ですが、「3Dセキュア」対応のサイトの方が安全性が高いといえます。正解はCカード決済専用のIDやパスワードも要求case3正解はBカチッと挿入+暗証番号 case2 磁気ストライプの場合、カード情報が盗まれることも。ICチップは情報を暗号化して格納しているため、情報を不正に読み取ることが困難。また暗証番号で本人確認を行うため、サインより紛失・盗難カードの不正使用防止に効果的です。正解はB読み取り機付きの端末で、その場でcase1 決済処理は“自分の目の前で”が原則。スキミング(カード情報の盗み取り)などを防ぐことにつながります。決済用の機械が店の奥にしかなく、カードを持って行かれるときは、“今どうなっているのか”を目で追って、注意していることをアピールして。 カード情報を登録したサイト(企業)が外部からウイルスなどで攻撃されてしまうと、カード情報が流出する可能性も。万が一に備えるなら、面倒でもカード情報は登録せず、その都度入力したほうが安全性が高まります。正解はB登録はせず、その都度入力するcase4
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