リビング京都 東南版 2017年1月28日号
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(3)2017年1月28日(土曜日)東南第1789号関西電力美浜発電所を読者が訪問 関西電力美浜発電所3号機は、2016年11月に、最長20年(2036年まで)の運転期間延長が認可されました。そこで、3人のリビング読者が現地を訪問。長期運転のための取り組みや安全対策を見学してきました。交換が困難な機器も特別な点検で安全性を確認津波から守る防潮堤は海抜約11.5m 発電所の外海側の防潮堤の高さを間近で実感した読者。「福島第一発電所事故直後の緊急安全対策の一つとして、海抜約11.5mの壁を作りました」と、大窪さんから説明を受けました。津波対策の1つとして分厚い水密扉も設置 万一、津波が防潮堤を越えた場合に、重要な機器がある建屋内への浸水を防ぐ水密扉。緊急安全対策として、建屋の扉が頑丈な水密扉に交換されました。多様な設備で電源を強化 「例えば、地震の発生により原子力発電所の運転が停止し、所内で電気がまかなえなくなった場合、まず送電線を経由して外から電気を受け取りますが、それができなければ、非常用ディーゼル発電機を使います。さらにそれが使えない場合には、津波の影響を受けない高い場所に設置された空冷式非常用発電装置2台(写真)を使用。それもダメなら電源車がスタンバイしています」(大窪さん) 東京電力福島第一原子力発電所の事故後の2013年に、原子力規制委員会による「新規制基準」が定められました。これは、地震に対する考え方などに関して、従来の基準が強化されるとともに、重大事故やテロへの対処、竜巻や森林火災への対処などが新しく盛り込まれたもの。美浜発電所でも、これに対応した安全対策が実施されます。 「安全対策の基本は深層防護」と大窪さん。〝深層防護〟とは、何重にも安全対策を行うこと。「まずは事故を発生させない、万一発生したとしても事故を進展させない、拡大させないために、電源、浸水対策、冷却機能などの多重化・多様化を進めます」(大窪さん)津波などの自然災害や事故に何重もの備えが●関西電力ホームページ内 「あくなき安全性の追求」http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/anzenkakuho/index.html関西電力のホームページでは原子力発電所の安全対策や運転期間延長認可申請について、詳しく紹介されているので、参考に。年間で600回もの訓練を実施 所内では、さまざまな事態を想定した訓練が、年間600回以上も行われています(写真は空冷式非常用発電装置による電源確保訓練の様子) 交換が困難な機器である原子炉容器やコンクリート構造物は、超音波を利用して状態を確認したり、サンプルを取り出して強度を調べるなどの「特別点検」が行われました。 今回、読者の近野里美さん、中井久美さん、田上初美さんが訪れたのは、運転期間延長が認められた関西電力美浜発電所3号機(福井県)。原子力発電所の運転期間は、2012年の法改正により、40年と定められましたが、原子力規制委員会の認可を受ければ、加えて最長20年延長できる仕組みとなっています。 「長期運転を想定し、設備の特別な点検や評価を行った結果、40年を超えて運転しても十分に安全性が確保されることを確認し、原子力規制委員会に認可していただきました」と関西電力美浜発電所所長室コミュニケーション係長の大窪英夫さん。今後は、緊急時対策所の建設など、安全対策工事が進められ、再稼動を目指すことになります。  見学のため作業着に着替えた3人は、発電所の中へ。美浜3号機の日常点検の様子や安全対策の設備などを自分の目で確かめました。近野里美さん なんとなく怖いというイメージが先行していた原子力発電所ですが、仕組みや特徴などを知ることができ、知識を深めることが大切だと感じました。中井久美さん 毎日の機器のメンテナンスや各エリアの人の出入りのチェックなど、たくさんの人の力で維持管理されていることを実感しました。田上初美さん もしものときの電源装置がいくつも用意されていたり、機器を新しくしたり、40年を超えて運転するためにさまざまな対策が行われていることが分かりました。◀海上輸送で到着した蒸気発生器(交換当時の様子)◀蒸気発生器を原子炉格納容器に設置(交換当時の様子)▲蒸気発生器に送る水を温める高圧給水加熱器も交換済み主要な大型機器は新しく交換 経年劣化による不具合が発生しないように、主要な大型機器、ポンプや配管の多くは、新しいものに交換されています。 当日は、発電に欠かせない蒸気発生器や高圧給水加熱器など、交換された機器を見学しました。東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓はどのように生かされているの?発電所の設備は古いままなの?▼大窪さん(右)の案内のもと、防潮堤などの施設を見学しました毎日の点検では、聴診棒という金属の器具を使い、モーター音のわずかな違いを聞き分けます そのほかにも、約1年ごとに「定期検査」、運転開始後30年を迎える前とそれ以降10年ごとに「高経年化技術評価」を行うとともに、設備の特性に合わせたきめ細かな保守、管理が計画的に実施されています。 もちろん毎日の点検も欠かせません。見学中の読者は、タービン建屋でポンプのモーター音を聞いて異常がないかをチェックしていた発電室の青山奨さんに遭遇。この建物だけでも100カ所以上が毎日の点検対象になっているそう。「音の違いを聞きわける職人技は、地道な作業の積み重ねのたまもの」と読者3人とも感心しきりでした。交換できないものはどうしているの?すごい職人技ですね頑丈な扉で浸水を防ぐのですねこの蒸気発生器も新しく取り替えられたんだね掲載エリア北西(池)北中(万)北東(茨)京阪(菊)南大(泉)大シティ大北(城)大南(浪)阪東(崎)阪中(甲)阪北(歌)他神明(明)神東(灘)送り組都合0510デザイン進行管理

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