リビング京都 中央版 2017年7月29日号
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(3)2017年7月29日(土曜日)中央第1812号より短時間で給水可能な送水車も配備給水ポンプで冷却後、さらに冷却するための「消防ポンプ」 昨年4月の電力自由化から、すでに1年以上が経過しましたが、エネルギーに対する関心は引き続き高いようです。この夏は、電気をつくる発電所にも新たな動きが。関西電力に現状を聞きました。 昨年4月の電力自由化に続き、今年4月には都市ガスも自由化となり、家計管理を考える上で、エネルギーの動向は気になりますね。また、この夏は、そんなエネルギー事情に影響を及ぼす新たな動きが。6月に関西電力の高浜発電所4号機、7月に同3号機の運転が再開されたのです。 運転再開に伴い、関西電力では、電気料金の値下げを決定。「8月1日から、関西のすべてのお客さまの電気料金を平均で4・29%値下げすることとしており、電気のご使用量が多くなる夏場に向けて、お客さまにできるだけ早くお返しするものです」と発表されています。 一方で、原子力発電所が運転再開されることになると、地震や津波への備えが気になりますね。そこで、高浜発電所では、どのような安全対策がとられているのかを関西電力に聞きました。関西電力 ホームページ内 「あくなき安全性の追求」http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/anzenkakuho/index.html関西電力のホームページでは原子力発電所の安全対策について、詳しく紹介されているので、参考に。防潮堤の設置や耐震補強など、自然災害から発電所を守るための対策を幾重にも備えています 過去の文献などの客観的なデータや発電所周辺の地盤を調査した結果に基づき、最大規模の地震や津波を評価し、想定を引き上げた上で、厳重な対策を行っています。例えば、地震対策では右のような配管の補強などを講じています。津波対策では下のように海抜8.5mの防潮堤を設置しています。万一、想定を超えるような津波が発生した場合でも、防護壁や水密扉で重要な機器を守ります。海抜8・5mのコンクリートの「防潮堤」を擁する取水路防潮ゲート原子炉を冷却するために必要となる海水を取水する海水ポンプ。これを津波から守る防護壁を設置安全上、重要な機器がある建屋には、水の浸入を防ぐ水密扉を設置外部電源が使用できない場合に備え、非常用として、既設の「非常用ディーゼル発電機」(左)に加え、右の「空冷式非常用発電装置」が所内に配備されています可搬式代替低圧注水ポンプを使った給水訓練津波への備え原子炉などを安定的に冷却し、重大事故を防ぎます もし、事故が起こった場合、重要なことは、原子炉を継続的に冷却することです。そのため、ポンプなどを動かすための電源と、水の確保が大切になります。事故を進展させないために、高浜発電所では、非常用として配備した設備が使用できなくなった場合に備え、右のような「電源の強化」や「冷却手段の強化」の対策を講じています。さらに事故を拡大させないために、緊急時対策所なども整備しています。事故時の対応能力向上のため、教育・訓練を充実させています 発電所では、重大事故が起きても、それぞれ決められた役割に応じて事故対策ができるよう訓練を行っています。事故対応時に確実な操作をしなければいけないため、発電所のほぼ全所員が、給水操作や電源操作など各種訓練を実施。平成28年度、高浜発電所では、約2900回の訓練を重ねています。地震への備え防潮堤で防ぐことができなかった場合原子炉停止時の冷却などに必要な電気は、通常、送電線を使って外部から供給電源の強化冷却手段の強化外部電源を強化し、さらに非常用として発電機など所内電源を多重化、多様化まず防潮堤で津波を防御し、万一、浸水すれば防護壁・水密扉で守る故障の場合使用できない場合海水ポンプモーター予備品大容量ポンプ冷却のための多重の備え「可搬式代替低圧注水ポンプ」を配備使用できない場合使用できない場合ポンプの取り扱い訓練発電機の取り扱い訓練たくさん訓練を重ねているんだね「中圧ポンプ」を配備配管の耐震補強の一例。白い破線で囲まれた部分が加えられました配管の耐震補強「海水ポンプ」(既設)「電源補助給水ポンプ」(既設)「タービン動補助給水ポンプ」(既設)「非常用炉心冷却設備」(既設)冷却に必要な〝水〟を確保するために、何重にも対策をしているんだねさらに「電源車」を配備さらなる備えbefore(550ガルを想定)after(700ガルを想定)使用できない場合使用できない場合地震・津波のほかに火災や竜巻などにも備えているんだってファイル名072910A81z13共関西電力〈NW掲載エリア〉0510
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